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製造業における生産性向上の重要性!向上のための方法

健康経営ノウハウブログ編集部
2018/10/28 10:00:00

「生産性」……この言葉の意味を正しく説明することが出来ますか?簡単に言うと、決められた時間・労働力や設備等で、

・どれだけ品質要件を満たす製品を製造することが出来るのか

・どれだけ会社の利益となる製品を製造出来たか

ということです。生産性は、企業内に山積している問題点を解決していくことで向上させることが出来ます。しかし、製造業では社内の様々な機能を調節する事技職と製品を生産する製造部門に区分されます。この2つの部門の協力なしに生産性向上を成し得ることは出来ません。

 

製造業における生産性向上とは

生産性の説明ー参考例

部品の射出成型工場(成形:型の中に溶かした素材を流し込み、部品の形を作る工程のこと)を参考例にしてみましょう。

 

<仮定>

A工場、B工場が、自動車のベンチレーター部品(エアコンの通風口の部品)を生産しています。作業工程は部品の成形工程・組立工程(成形した部品に小物部品を組み立てる工程)・検査工程から成っています。納入先は同じC会社です。

 

<A工場の条件>

  • 作業:1つの成型設備につき2人の作業者で作業を行う―それぞれがトラブルシューティングのノウハウを有している
  • 作業:1人の作業者が設備の操作。もう1人の作業者が出来上がった部品の目視チェック(品質確認)を行っている
  • 設備の生産能力*:120個/時間
  • 納入先Cの品質要件を満たす部品の生産:108個/時間
  • 設備のトラブル:滅多にない
  • 品質不良:2個/時間程度

生産能力*とは……設備と労働力等に一定の基準を設けて、トラブル等を考慮しない標準的な状態で設備が部品を生産できる最大の生産能力/個数のこと……数字で示す必要がある)

 

<B工場の条件>

  • 作業:1つの成型設備につき1人の作業者が作業を行う―簡単なボタン操作以外、何のノウハウもない
  • 作業:設備にトラブルが起きた時は、トラブルシューティングを実施する部署に依頼する
  • 設備の生産能力:150個/時間
  • 納入先Cの品質要件を満たす部品の製造:90個/時間―後工程に作業者が部品を運び、そこで品質確認を行う:移動時間は往復5分。その間は設備がストップする
  • 設備のトラブル:頻繁に作業が中断する
  • 品質不良:10個/時間程度

 

この参考例では、生産性が高いのはA工場です。

  • 2人の作業者で1つの作業工程が完了している
  • 納入先の品質要件を満たす部品が110個/時間生産されている

からです。

 

B工場は、

  • 作業者が1人であるものの、トラブルシューティングと品質確認は他の工程に依頼しないと成形工程における作業が完了しない……他の作業者の手を止めている。

と言う理由から、A工場よりも多くの時間と労働力がかかっています。また、部品の品質不良による原材料と加工時間の無駄が発生しています。

注視したいのは、B工場はA工場よりも生産能力の高い設備を所有しているにもかかわらず、その能力を活かし切れていません。

 

製造業における生産性の考え方は、

生産性=生産量/労働力・設備費・原材料費等

と覚えておきましょう。 business_186

製造業の生産性向上のための方法

生産性を向上させる方法には大きく分けて「無駄の削減」と「業務の改善」の2つがあります。この2つを織り交ぜた方法を詳しく見ていきましょう。

 

目標の数字を決める

作業工程毎に1時間、1日、1週間、1か月、1年といった単位で生産する部品の目標生産数を設定しましょう。

一般的に製造業では、部品を作る・その品質確認をする等、作業の前後に別の作業工程が存在します。各工程の生産計画を決めなければ、前工程・後工程の作業者に無駄な「手待ちの時間」を作ってしまいます。目標生産数を設定することで「手待ちの時間」を削減することが出来るのです。納入先がある場合、指示された必要な部品数に沿って目標生産数を設定すると良いでしょう。自社が製品を販売している場合は、販売計画と照らし合わせると良いでしょう。

目標生産数の設定には、企業の生産管理部が主体となる必要があります。自社設備の生産能力や労働力等を予めデータ化し、逐一変化する生産現場の状況を見つつ、各工程の目標生産数を修正しましょう。

 

業務の「見える化」で作業効率を上げる

ここでは、作業効率の向上に役立つ様々な「見える化」を見ていきましょう。

問題点の「見える化」

問題点を図にしてみると、問題の原因を一目で理解出来るようになります。 参考例に出したB工場の問題点に注目してみましょう。「トラブルで設備が頻繁に止まる」とありました。これを放置すると作業効率もその先にある生産性の向上も出来ません。 どのようなトラブルで設備が止まってしまうのか、なぜ1時間に10個の品質不良(品質のバラツキ)が生じるのかといった問題追及を行う必要があります。 製造業では、主に品質管理部がこの業務を担います。 射出成形の場合、原材料を溶かす温度や射出圧力等が品質不良の原因になります。「品質不良が多いことを認識するだけ」では済まさず、その問題解決まで行いましょう。

このような場合、品質管理における問題解決の手法である「特定要因図(フィッシュボーン・チャート)」*を使用すると役立つことがあります。作成した際は、部署内で共有し、作業現場にも図を共有しましょう。作業現場では誰もがその問題点を確認できるよう、印刷物を問題が発生する設備に貼っておくと良いでしょう。

特定要因図(フィッシュボーン・チャート)*とは……どのような原因が問題に関与しているのかを図で表したもの

予め起こり得る問題を予測し、その解決法を盛り込みながら望ましい方向性に導く。そのような役目を果たす「PDPC法(過程決定計画図)」*の作成と情報共有/設備への提示も役立ちます。

「PDPC法(過程決定計画図)」*とは……想定される問題を盛り込み、望まれる結果への過程を表す図。

 

生産数と品質不良数の「見える化」

PC等を用いて、1時間毎の生産数と品質不良数を企業内で共有することも作業効率を上げる方法の1つになります。生産数と品質不良数をグラフ化することで、不良率が一目で分かります。更に品質不良も不良の種類毎に分類していうと、次のようなメリットが生まれます。

  • 設備がどのような状態になっているのか
  • どのような問題が発生しそうなのか 等

作業現場に行かなくてもリアルタイムでこれらが判別が出来るようになります。

このような業務を実行するには、品質管理部門にいる社員が品質管理手法を習得することが必要になります。手法を用いて問題点の洗い出しと要点をまとめたチャートの見える化を実施し、自らの部門と製造現場で共有すると良いでしょう。

 

作業の進め方の「見える化」

決められた作業手順書を策定することで、作業者の無駄な動きがなくなり作業効率が上がります。限られた従業員数で製造を行っている企業では、作業の進め方を口頭で別の作業者に指示していることがあります。口頭で指示することも大事ですが、作業の進め方を「作業手順書」として作成し、見える化を実施することは更に重要です。

作業手順書のメリットは、問題(危険個所・作業)の見える化にもあります。製造現場では、ほんの少しの不注意でも重大な労働災害につながります。口頭だけでは伝わらない潜在的な危険を作業者に伝えるためにも、作業手順書の作成の意義があります。

 

ヒヤリ・ハットの「見える化」

重大な事故にはならなかったものの、突発的なミスであったり、設備を使用した際にヒヤリとする場面に遭遇することがあります。それを専用シートに書くよう作業者に意識付けましょう。くれぐれも工場内でヒヤリとした経験を放置しないこと。どのような状況でその経験が起きたのかを見える化することで、起こり得る労働災害を未然に防ぐことが出来ます。労働災害の中でも重大災害が起きた時は、工場全体の作業が停止しかねません。専用シートを貼るボードを用意し、工場内で働いている作業者に情報を共有すると簡単に「見える化」が出来ます。

ここまでで挙げた参考例をはじめとする見える化を実践することで、現場にある無駄をなくす意識付けの出発点になります。また、作業手順書やヒヤリ・ハットの例では、作業手順を見える化することにより、作業者全体が同一の作業を行うことが望め、設定忘れ等といったミスが防げます。

加えて、実際に製品を作る作業者あっての製造業。起こり得る労働災害を見える化することで、作業者の安全を守ることと設備や作業を止めない努力になるのです。

こういった積み重ねをしていくことで作業効率が向上するでしょう。 business_187

製造業において生産性向上は非常に重要

「生産性向上は企業の利益を増やすこと」と覚えておきましょう。

「部品を作る原材料は倉庫にたくさんある。設備も頻繁に止まらないから問題ない」。これでは問題が山積みです。

企業に部品を納入する場合、先方の品質要件を満たしていない部品は製品価値のない不良品です。作業ミスを繰り返していたら、原材料と労働力の無駄になります。

いかに少ない労働力と不良率で品質要件を満たす製品を作るかが、企業の利益につながるのです。反対に、不良品を多く作っている場合、企業の利益率は低下します。低下した利益率のしわ寄せは、従業員の給与等に反映されるでしょう。

増えた利益は、給与等への反映や安全性と高い性能を備えた設備導入にもつながります。そのためにも、生産性を向上させる手法を社員全員が考え、改善につながるアイデアを「見える化」して共有する必要があるのです。

 

まとめ

製造現場の努力だけで生産性向上を成し得ることは不可能です。社員全員が生産性を高める方法や改善案を出す必要があります。

作業効率が向上しそうな改善案があれば、上司に相談し、その方法を職場で共有し、活かしていくことが良いでしょう。そのためにも、常に現状では満足せず「何か改善出来ることはないか」と考える必要があります。良いアイデアがあれば実行する。風通しの良い環境作りも必要になってきます。

このような小さな積み重ねを継続すれば、生産性向上の新しい方法を自分たちの手で考え・話し合い決めていけるはずです。

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