福利厚生制度には様々なものがあり、活用の仕方次第で従業員満足と会社業績をともに向上させる効果が期待できます。ここでは福利厚生の解説と、人的、経済的コストを低減させるための福利厚生のアウトソーシングについて解説していきます。
福利厚生制度は2つに分かれます。1つは社会保険などの法律で義務づけられた制度である法定福利厚生で、もう1つは社宅制度や住宅手当、社員旅行などの、企業が独自に設けている法定外福利厚生です。
福利厚生は社内での管理もできますが、事務作業の軽減のために管理を外部に委託することもできます。福利厚生のアウトソーシングサービスは、主に法定外福利厚生を扱っています。
ここでは法定外福利厚生を10種類のパターンに分けてご紹介します。
従業員の住居や通勤費用の負担を軽減するための福利厚生で、住宅手当の支給や通勤手当の支給などがあたります。
住居費や通勤にかかる費用は家計の中でも大きな比重を占めるものですから、これらの負担を軽減することで従業員満足度や会社へのロイヤリティの向上が期待できます。
会社によっては入社したばかりの若手社員に対して手厚くしたり、会社の半径3キロ以内に住んだ場合は家賃手当など、条件を設定している会社もあります。
円滑に業務を運ぶために、また従業員が最大のパフォーマンスを発揮するためには心身の健康が重要です。
企業内の診療所の運営や健康診断、人間ドックへの補助などがその内容です。
最近ではメンタルヘルス対策も未病予防として始めている会社もあります。
お祝いごとや不幸ごとのあった従業員に祝い金や見舞金を支給する制度です。結婚祝い金や出産祝い金、弔慰金などが代表的です。
結婚祝い金とは別に、ファミリー向けの商品を扱っている会社は自社商品を提供することも。また、出産した子供の数によって祝い金の金額が変わる会社もあります。富士フイルム株式会社では出産祝金として、第1子5万円、第2子10万円、第3子以降は1人あたり100万円を支給。大和ハウス工業では職員またはその配偶者が子どもを出産した場合、子一人に対し100万円(双子の場合には200万円)の祝い金を支給しています。
会社も、従業員やその家族とともに、喜ばしいことも不幸ごとも一緒に分かち合う気持ちを表現するものです。
従業員が業務に関連するスキルを身につけるため、あるいは自分自身の市場価値を上げるために新しい能力を開発することを支援する福利厚生です。
各種セミナーへの参加費補助や資格試験の受験料補助などがあたり、会社の業績向上や、従業員の自己実現のサポートができるようになります。
育児や介護でフルタイムの労働が難しい人をサポートするための制度です。
育児・介護休業の制度化や、企業内保育所の設置があたり、これらの福利厚生制度の導入によって、育児や介護が原因の離職・人材の流出を防げます。
法定の有給休暇以外にも、慶弔休暇を始めとして、自分を磨くための「育自分休暇」「健康推進休暇」などのユニークな休暇制度を設けている会社もあります。
休日の多さは新卒者が企業を選ぶ際の重要な要素にもなっており、休暇制度の充実は人材確保のためにも重要です。
従業員が働きやすい職場環境を整える福利厚生で、最新のMacやiPadなどのガジェットに無料で触れられるといった取り組みを行っている企業もあります。
また、経済誌や各種情報誌を休憩室などに設置することでも、従業員が最新の情報や感性に触れられる環境を整えられます。
オフィス家具も進化しており、木材でできたもの、椅子が無く長時間会議ができない会議机、卓球台にもなる会議机など様々な職場環境整備の一翼を担っています。
社内運動会や社内での部活動への補助金の交付、宿泊施設や保養所の割引制度、社員旅行の催行といった福利厚生もあります。
社内運動会は社員同士のつながりを強めるものとして、近年注目が集まっています。
給与から一定額を天引きして貯蓄を行う財形貯蓄制度も福利厚生の項目としてあり、社員持ち株会や社内預金などがあたります。給与から天引きで貯蓄されるため、従業員は計画的に将来のための貯蓄ができるようになります。
その他にも、様々な企業が独自にユニークな福利厚生制度を設けています。例えば福利厚生として、従業員が副業をもつことを積極的に推進する企業もあります。社内での業務だけでは得られない人脈や知見、スキルを得られるなど、従業員にも会社にもメリットがある福利厚生の一環となっています。
福利厚生業務は外部委託もできます。もちろん契約料などのコストがかかってしまいますが、制度のための施設・設備の導入費用や、総務や人事の煩雑な事務作業などを考慮すると、社内で行うよりも総合的にはコスト面で有利になる場合もあります。
福利厚生をアウトソーシングすると、中小企業であっても大企業と同等の福利厚生を導入できるのが、アウトソーシングのメリットです。
福利厚生のアウトソーシングサービスは二種類あります。1つはカフェテリアプラン、もう1つはパッケージサービスです。それぞれのメリット・デメリットと、どういった企業に適しているかを解説します。
カフェテリアプランでは、従業員はまずポイントを支給されます。会社が提示した複数のサービスの中から希望するものをポイント消費して選ぶシステムです。福利厚生代行業者が用意しているサービスに加入するのが一般的です。
しかし、福利厚生代行業者が用意しているカフェテリアプランには既存のクーポンサイトでもみかけるものや、会社の狙いとは違うご褒美としての福利厚生にしかならないデメリットもあります。
パッケージサービスでは、従業員はあらかじめパッケージされているサービスが提供されるため、福利厚生で実現したい狙いを会社がコントロールすることができます。パッケージサービスは専門性のある特化したものが多く、カフェテリアプランと比較すると、総合性、網羅性は低くなるのがデメリットですが、その分だけ質の高いサービスを受けられることが特徴です。
法定外福利厚生の拡充は従業員満足の向上に有用ですが、どういった制度が今の従業員に求められているかを把握しておく必要があります。社会環境の変化や従業員の年齢によっても変化していくためです。
その上で自社にはカフェテリアプランとパッケージプラン、いずれがより適しているかを考えて福利厚生業務をアウトソーシングすれば、低コストで充実した福利厚生が実現できるでしょう。
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