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生産性に直結する従業員満足度、対策と成功例

健康経営ノウハウブログ編集部
2018/11/11 9:00:00

近年は働く世代の人口が減少しているため、どの業界も優秀な人材の確保が難しくなっており、人材獲得競争が激化しています。そのような中で、重視されるようになってきたのが、ES(従業員満足度)です。本記事では、従業員満足度とはどのような要素で構成されているのか、満足度が企業経営に影響を及ぼすのかなどについて解説します。

 

ES(従業員満足度)の定義

従業員満足(ES:employee satisfaction)とは 顧客満足(CS:customer satisfaction)に対比される概念で、企業内で就労する従業員の業務内容や職場環境、人間関係などに対する満足度のことをいいます。かつて、日本の企業では顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)が重視されてきました。顧客満足度を向上させることこそが、企業の業績をアップさせるのに必要不可欠であると考えられていました。

しかし、顧客満足度を追い求めすぎてしまうと、従業員が犠牲になってしまい、従業員満足度が低下してしまうこともあります。そうなると、離職者が増えて人材不足になり、残った従業員の業務負担が増えてしまう可能性もあります。

その反省から、近年は顧客満足度ではなく、従業員満足度のアップに重点を置く考え方が一般的になりつつあります。従業員がやりがいや熱意を持って職務に取り組むようになれば、個人や組織のパフォーマンスが向上します。それが、ひいては顧客満足度をも向上させることにもつながると考えられているのです。

つまり、従業員満足度を高めることで顧客満足度が上がり、企業の業績もアップするという好循環が生まれるというわけです。従業員満足度を高めるには、従業員が何に対して満足するのか、何に対して不満を感じるのかを知ることから始めます。従業員満足度を重視している企業の中には、定期的に従業員満足度調査を実施するところも多くなってきました。調査をして出てきたデータを数値化し、経営戦略に役立てているのです。今後も、従業員満足度調査を積極的に行う企業は増えてくることでしょう。

 

最初に「従業員満足度」を提唱したリッツ・カールトン

最初に、ES(従業員満足度)の指標を提唱したのは、アメリカのザ・リッツ・カールトン ホテル(以下「リッツ・カールトン」)でした。リッツ・カールトンは、「紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女です」をモットーに掲げ、従業員にこう約束しています。

「リッツ・カールトンではお客様へお約束したサービスを提供する上で、紳士・淑女こそがもっとも大切な資源です。 信頼、誠実、尊敬、高潔、決意を原則とし、私たちは、個人と会社のためになるよう持てる才能を育成し、最大限に伸ばします。」

引用:THE RITS-CARTON「企業理念『ゴールドスタンダード』


リッツ・カールトンは、従業員を「紳士淑女」と呼び、「もっとも大切な資源」であると明確に述べています。このことから、リッツ・カールトンは個々の従業員を尊重し、従業員がその才能をいかんなく発揮できる環境を整えていることがわかるでしょう。

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少子高齢化により人手不足に悩む日本

従業員満足度が重視されるようになった原因のひとつには、少子高齢化による人口減少があげられます。総務省統計局の調べによると、日本の人口は2017年10月現在、1億2670万6千人で、7年連続で減少していると言います。その中で、65歳以上の人口は3500万人を超え、全人口比の割合は27.7%と過去最高になっています。

出典:総務省統計局「人口推計(平成29年10月1日現在)‐全国:年齢(各歳),男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級),男女別人口‐」

 

国立社会保障・人口問題研究所によれば、今後も日本の人口は減少の一途をたどると推測されています。同研究所が発表したデータでは、2053年には人口が1億人を割り、2065年には8,808万人まで落ち込むとの予想が出ています。一方、65歳以上の割合は38.4%にまで上昇し、働く世代である生産年齢(15歳~59歳)人口はどんどん減ると見られています。

出典:内閣府「1 高齢化の現状と将来像」『平成29年版高齢社会白書』

また、2025年には団塊の世代が大量に退職し、大介護時代に突入することもあり、人材不足が今後さらに加速することは必至でしょう。

 

人材確保のために従業員満足度を高めることが急務

これから人口がどんどん減少する日本で、優秀な人材を確保するためには、従業員を辞めさせないようにすることが重要です。現在、どの業界でも人材不足が深刻化しています。特に外食産業をはじめとするサービス業界では、新人を採用してもすぐ辞めてしまい、度々採用活動をしなければならない事態になっています。

これは、サービス業界ではイレギュラーな顧客対応の必要に迫られ、勤務時間が長時間に及ぶ傾向があることが背景にあります。さらに、人材不足により既存の従業員に負担が重くのしかかっていることも一因です。

この過重労働が常態化している状況を改善すべく、2017年より政府主導で働き方改革が始まりました。企業の中には、「ノー残業デー」を設けたり、ある一定の時間になると一斉消灯したりパソコンが強制的にシャットダウンするようにしたりするところも増えてきました。そのため、各企業で働き方改革が徐々に浸透し、働きやすい状態になりつつあると言えるでしょう。

これから人口がどんどん減少していく日本で、優秀な人材を確保するためには、いかに従業員を辞めさせないかという点に注目することが今後重要になってきます。個々の従業員が働き方に満足すれば、自社に愛着を感じて仕事に対するモチベーションも上がります。そうすれば、定着率のアップが見込める上に、優秀な人材が集まりやすくなる副次的な効果も期待できるのです。また、従業員満足度を求めていくのであれば、本当に従業員が満足して働くことができているかを定量的に調査することも必要となるでしょう。

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ES(従業員満足度)5つの要素

ES(従業員満足度)を高めるためには、ある5つの要素が必要であると考えられています。その5つの要素とは具体的にどのようなものなのでしょうか。

 

1. マネジメントへの納得感

従業員が会社の中で納得できる処遇を受けられているかどうかは、従業員満足度を左右する大事な要素です。人間はだれしも「自分の努力を人に認めてもらいたい」という承認欲求を持っているもの。上司は頑張って成果を出した部下に対し、「認めてほしい」という思いを汲み取ることが大切です。「毎日根気よく取り組んで、頑張ったな」などと上司が労をねぎらう言葉をかければ、その部下はより一層自信を高め、仕事に対するモチベーションも高まることでしょう。

一方、中には努力を重ねてもなかなか成果を出せない部下もいるかもしれません。そういう時に、上司が「そんなことではだめだ」「結果が出ないのは努力が足りないからだ」と言ってしまうと、部下はどう思うでしょうか。上司は叱咤激励したつもりでも、そう言われた部下は自信をなくし、モチベーションも下がってしまうかもしれません。このように、上司の声のかけ方ひとつで部下のモチベーションや自信の持ちようは大きく左右されてしまうのです。

 

2. 参画・業績への充実度

従業員にとって、会社は与えられた仕事をただひたすらこなすための場所ではありません。働くからには、自分がどれだけ会社の業績に寄与しているか、また自分の仕事が社会にどれだけ貢献できているかということも重要です。

たとえば、営業部門であれば、新規開拓を行って新たな顧客を獲得したり、リピーターを増やしたりすることで業績に貢献できます。また、自社製品やサービスを広めることで顧客の業界の活性化に貢献すれば、自分の仕事に社会的意義を感じることもできるでしょう。 総務や人事、経理といった管理部門は、成果が具体的な数値にあまり現れないため、充実感や達成感がなかなか得られない部署ではあります。

しかし、たとえば全社員に節電や節約を呼びかけたり、従業員が働きやすい環境を整備したりする方法もあります。そうすれば、全社的にコスト削減や働きやすさに貢献したことになり、周りの人から感謝されることでやりがいを感じられるでしょう。

 

3. ビジョンへの共感

創業者は、「社会に対してこのように貢献したい」「こういう企業でありたい」というビジョンを掲げて会社を立ち上げられたはず。創業から長い時を経て経営者が変わっていっても、そのビジョンは根底に生きているのではないでしょうか。企業の経営者が従業員を引っ張っていくには、何らかの形で社会に貢献するための明確なビジョンを持っていることが重要です。ビジョンがあれば、そのビジョンを実現するために日々何をどうすればよいかを考え、具体的なアクションに落とし込むことができるでしょう。

さらに、経営陣だけでなく、全従業員にビジョンが浸透しているかどうかも重要なファクターになってきます。従業員全員にビジョンが浸透し、共感を得られていれば、実際にそのビジョンを実現するべく自発的に行動するようになります。

また、自分たちの力でビジョンを実現することにやりがいを感じる従業員が現れることでしょう。実際に、従業員がビジョンを理解して共感している企業では、従業員満足度が高いという調査結果もあります。

あるコンサルティング企業が、クライアント企業で経営理念をまとめた「クレドカード」を作成し、社員が1日1回開くような仕組みを作りました。その後同社で理念浸透度調査を実施したところ、「理解」「浸透」「行動」などの項目でポジティブな回答が増加したとのことです。

 

4. 就業環境の快適さ

従業員満足度の向上には、働きやすい労働条件を整える、福利厚生を充実させるなど、快適な就業環境を整えることも必要不可欠です。

労働条件の面では、週に1回は「ノー残業デー」を設ける、最低週2日は休日にする、夏休み・年末年始休暇はまとまったお休みが確実にとれるなどを徹底するのが良いでしょう。また、喫煙者がいる職場では、非喫煙者の受動喫煙を防止するために喫煙スペースを設け、分煙を徹底しなければなりません。

また、昨今では子育てや介護に積極的に参加する男性も増えているため、ワークライフバランスを実現しやすいことも従業員満足度につながります。育児や介護をしている部下にとっては、勤務時間に融通が聞きやすいことは大きなポイントです。

さらに、子どもの行事や急な病気の時にやむを得ず早退したり、休暇を取ったりする時には、周りがフォローできる体制を日頃から構築しておくことも必要です。業務マニュアルを作成する、業務の進捗状況をだれでも見られる場所にメモしておく、ひとつのクライアントを複数人で担当するなど、工夫すると良いでしょう。時短制度や在宅勤務制度を設けておき、必要に応じて自由に利用できるようにしておけば、より一層満足度の向上につながるでしょう。

 

5. 企業風土の快適さ

社内のコミュニケーションが活発かどうか、風通しのよい社風かどうかも従業員満足度には重要なファクターです。会社は、人によっては1日のうち、3分の1~2分の1ほどの時間を過ごす場所になります。そのため、気持ちの上で会社がいかに快適に過ごせる場所であるかが、満足度を大きく左右します。

最近ではOA機器やIT、IoTの発達により、パソコンなどの画面に一日中向き合って過ごすことも増えてきました。隣の席に座っている社員に用がある時にも、メールやLINEのやり取りで済ませてしまうことも珍しくありません。そのため、同じ部署で働く社員同士でも、Face to Faceで話をする機会が減っていると言えるのではないでしょうか。

その上、会社の規模が大きくなればなるほど、経営陣と従業員、上司と部下の心理的な距離も離れていってしまうこともあります。

社内のコミュニケーションを活発にするためには、たとえば全社員が集まるようなイベントを開催して、従業員同士で気軽に会話のできる機会を設けることが大切です。個々の部署でも面談の回数を増やすなど、上司と部下が腹を割ってお互いに言いたいことを言い合える関係を構築することも満足度のアップにつながるでしょう。

日頃からお互いにコミュニケーションを取っておけば、だれかひとりに業務負荷がかかっていてもすぐに気づくことができるでしょう。部内や課内で話し合って、業務量を分散させることも可能です。 business_201

なぜ従業員満足度が大切なのか

従業員満足度をアップさせるために、報酬の話は避けて通れません。従業員が得られる「報酬」は2種類あると言います。ここでは、従業員がどのような報酬を得られれば満足度アップにつながるのか、従業員満足度が高い時と低い時で、働き方にどう影響するかについて見ていきましょう。

 

モチベーションアップにつながる報酬

企業で働くことで得られる報酬には、「金銭報酬」と「非金銭報酬」の2種類があります。

「金銭報酬」とは、その名の通り金銭で得られる報酬のことで、給与や賞与、各種手当、福利厚生などがこれに該当します。一定の成果をあげた場合に与えられるインセンティブも金銭報酬のひとつです。

一方、「非金銭報酬」とは、成長の機会や仕事のやりがい、面白さ、社会的意義といった、お金に換えられない価値のことを指します。また、企業風土や家庭の事情に関する理解、人間関係なども非金銭報酬に該当すると言えるでしょう。

金銭報酬は経済基盤を築く上でなくてはならないものですが、かといって金銭報酬だけを与えても従業員のモチベーションアップにつながるわけではありません。

事実、ある人事コンサルティング会社の会長が以前副社長をしていた会社で、企業の業績向上に応じる形で給与改定の時に給与を一律1万円アップしたところ、かえって有能な社員のモチベーションを下げてしまったそうです。頑張った人もそうでない人も同じ額が支給されたため、頑張った人にとって不公平感が出てしまったのです。

その後、社員の頑張りを正当に評価するために、人事評価制度をゼロから再構築したところ、給与が上がった社員もいれば給与が下がった社員も出てきました。それにもかかわらず、社員の反応はおおむね良好。給与が上がった人はモチベーションがアップし、給与が上がらなかった人も納得感が見られたと言います。

もちろん、非金銭報酬だけ支給したのでは、精神的な満足は得られるかもしれませんが、優秀な人材を確保することは難しくなる可能性があります。金銭報酬と非金銭報酬をバランスよく与え、従業員に「自分は正当に評価されている」と感じてもらえるようにすることが大切です。そうすれば、従業員の満足度もおのずと上がることでしょう。

 

満足度が高い場合の影響

自分の実力が正当に評価されて、周りとの人間関係もうまくいき、仕事にやりがいを持てば従業員満足度が向上することがわかりました。従業員満足度が高くなると、以下のような良い影響があると考えられます。

  • モチベーションが上がる
  • やるべきことを自発的に考え、実践するようになる
  • 社内が活気づく
  • 活発なコミュニケーションが生まれる
  • 会社の業績自体がアップする
  • 優秀な人材が集まる   など

 以上のように、従業員の満足度が高い企業では、従業員のモチベーションやコミュニケーションに良い影響をもたらすことがわかります。それだけでなく、従業員満足度が上がることでお客様対応も行き届くようになり、ひいては顧客満足度のアップにもつながるでしょう。

 

満足度が低い場合の影響

一方、従業員満足度が低い場合は、以下のような影響が出てくると考えられます。

  • 「上司に言われたから仕方なくやる」という雰囲気になり、効率やスピードが落ちる
  • 愚痴や不満ばかり言うようになり、生産性が上がらない
  • お客様対応がおざなりになり、クレームが増え
  • 従業員が会社の方針や上司に不満を持つようになど
  • 人事評価に納得いかない従業員が辞めていく   など

従業員満足度が低下する要因には、上司や同僚の仕事の進め方が気に入らない、会社の方針に共感できないなどがあります。満足度が低下すると、人材の流出は避けられません。そうなれば、その人物を採用する時にかけたコストも無駄になります。その上、その社員がもし職務発明したものを持って同業他社に転職した場合は、知的財産の流出にもつながります。

 

本当の満足度、どうやって把握する?

従業員満足度を知るためには、調査を行うことが大切です。従業員が本当に不満を持たずに働いてくれているのかどうかは、部下を持つ者であればだれでも気になるところでしょう。しかし、従業員に面と向かって不満はないかどうかを聞いてみても、正直に答えてくれるとは限りません。ここで、従業員満足度を見える化するためには、社内でアンケートを行い、分析することも対策の一つとして有効です。

 

アンケートの実施

まず、従業員がどれくらい満足して働いているのかを知るために、社内でアンケートを実施します。アンケート項目を作成する前に、調査を実施することによってどういうことを明らかにしたいのかを決めましょう。方針や目標を明確に定めた上でアンケート項目を組み立てると、ほしい結果が得られる確率も高くなります。

たとえば、「従業員により前向きに働いてもらうために、どういったことにやりがいを感じているのかを明らかにする」という目標を設定するとしましょう。その目標にフォーカスしてアンケートを作成すると、以下のような項目になります。

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引用:クレイア・コンサルティング株式会社「クレイア・コンサルティングが提供する従業員満足度調査(ES調査)の特徴」

 

この調査を行ったコンサルティング会社によると、この調査を通して、以下のような観点に着目していると言います。

 

  1. 職務に対して向けられる動機
  2. 職場のメンバーとの協力・連携に向けられる動機
  3. 組織目標の達成に向けられる動機

 

これらを分析すれば、従業員の潜在的な意識を明らかにして従業員満足度における問題点や課題を把握し、改善につなげることができるのです。

 

ポートフォリオの分析

アンケートを回収したら、回答を集計してポートフォリオの分析を行います。この分析をすれば、自社の従業員満足度について、どこに強みがあるのか、逆にどこを重点的に改善すればよいのかが確認することが出来ます。

ポートフォリオの分析には、四角枠を2×2に区切った図を用意します。大きな四角枠の右に行くほど重要度が高くなり、左に行くほど低くなります。また、大きな四角枠の上に行くほど満足度が高くなり、下に行くほど満足度が低くなります。

区切った四角の右上を「強み強化項目」、左上を「現状維持項目」、右下を「重点改善項目」、左下を「改善検討項目」とし、満足度を数値化したものがどれにあてはまるかを分析します。

ポートフォリオ分析

それぞれの項目の内容は以下の通りです。

 

強み強化項目

従業員の満足度が高く、今後も強化していくべき項目です。採用活動の時にもこの項目を前面に打ち出すことで、優秀な人材が集まりやすくなるでしょう。

現状維持項目

満足度が高く、重要度も低いため、現状ではあまり改善に取り組まなくても良い項目です。このまま維持できれば問題ないでしょう。

重点改善項目

満足度が低く、重要度も高いため、重点的に改善に取り組んだ方が良い項目です。満足度向上のための対策を早急に講じ、行動に移した方がよいでしょう。

改善検討項目

満足度は低いものの、重要度も低いので、今後改善に取り組む余地のある項目です。緊急性はないと考えられるため、ほかに改善すべきところを改善した後で、対策を講じると良いでしょう。

 

従業員満足度調査の意義

従業員満足度調査は、やりがいを持って柔軟に働ける職場環境を実現するためには欠かせないものです。普段、いくら上司と部下の間で積極的にコミュニケーションを取っていても、部下は胸の内に秘めた不満をなかなか外に出さないもの。

特に、従業員を数百人、数千人と抱えるような企業では、経営層と従業員との間で意思疎通が希薄になりがちです。意思疎通が適切に行われていなければ、経営層は従業員が不満を抱えていてもそれを把握しにくくなります。その結果、従業員は自分たちの想いを経営層にわかってもらえず、さらに不満を募らせることにもなりかねません。

従業員満足度調査をすれば、調査を通して普段は見えてこない従業員の不満や要望を可視化することができ、改善点を見つけることができます。そうすれば、経営層が社内環境を変えようとしていることが従業員にも伝わり、やりがいを持って働くことができるようになるのです。

 

従業員満足度の高い企業の事例

昨今では従業員満足度の向上を追求するためにさまざまな工夫を重ね、実際に従業員満足度が向上している企業も続々と出てきています。ここでは、現に従業員満足度を向上させる制度を構築し、成果をあげている企業を3社ご紹介します。これらの企業では、従業員満足度を高めるためにどのような施策を行っているのでしょうか。

 

株式会社メルカリの事例―産休・育休あわせて約8ヶ月分の給与を100%保障-

株式会社メルカリでは、「merci box」と呼ばれる人事制度を実施しています。この制度は、会社の中長期的な発展を見据えて構築されたものです。

人は生きていれば、さまざまなライフイベントや万一のことを経験するものです。この制度は、従業員のライフステージが変わっても思いっきり働ける職場環境を実現すべく導入されたものです。

具体的な制度内容は以下の通りです。

(1)社員やその家族への支援

  • 女性は産前10週間+産後約6ヶ月間の給与を100%保障、男性も産後8週間の給与を100%保障。
  • 子どもの看護・家族の介護で休暇を取得する時、1年あたり5日間を特別有給休暇として最大で10日間まで取得可能。

 

(2)万一の時の経済的支援

  • 病気やけがで休職した時、安心して治療に専念できるよう経済面でサポート。
  • 全社員を対象に死亡保険に加入させ、万一の時に家族を経済的に支援。

 

(3)ライフイベントのサポート

  • 結婚にあわせた5日間の特別休暇(結婚休暇)やお祝い金(5万円)を支給。
  • 妻の出産に立ち会う時の3日間の特別休暇(出産休暇)やお祝い金(10万円)を支給。
  • 身内の不幸があった時の3~7日間の特別休暇や弔慰金(5〜10万円)を支給。

 

未来工業株式会社の事例―社員のアイデアを会社が500円で買い取る―

未来工業株式会社は、メディアなどから「日本一のホワイト企業」として注目を集めている企業です。この会社では「ホウ・レン・ソウ」と残業は禁止、ノルマなし、おまけに800名ほどいる社員は全員正社員で年間休日は140日。それでも業績は良く、給与水準は地域でもトップレベルで、創業以来一度も赤字になったことがないのです。

もともと、未来工業は「未来座」という劇団が立ち上げた会社。幹部社員も劇団員で、早く仕事を終わらせてお芝居の稽古をしたかったことから、残業をなくすようになったのだそうです。

未来工業では、社員が自由に会社に対してアイデアを出すことができる提案制度を導入しています。食堂のメニューや節電などのちょっとしたアイデアでも、提案すれば1件500円が支給されます。その提案が実際に採用されれば3万円、年間200件以上提案を出せば15万円が支給されるため、積極的に提案をする社員も多いと言います。

以上のような施策で実際に業務が改善され、コスト削減につながったこともあったということなので、従業員満足度の向上につながったのだと言えるでしょう。

 

株式会社オリエンタルランドの事例―数々の表彰制度、「I have アイデア」制度―

東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランドでも、従業員満足度を高めるためにさまざまな制度を用意しています。

まず、各組織や委員会より推薦された案件から特に優れた案件を表彰する「会社表彰」の制度があります。この会社表彰には、パフォーマンスの向上に貢献した「Performance Improvement Award」をはじめ、さまざまな「アワード」が用意されています。それぞれのアワードで特に顕著な成果を出した案件が表彰されることになっているのです。

また、未来工業と同じように、すべての従業員が気軽に会社に対して提案できる「I have アイデア」という制度もあります。ゲストに喜ばれるような商品やメニュー、サービスのアイデアを募り、もっとも優れたものは実際に商品化されることになっています。

さらに、スタッフ同士がお互いに素晴らしい行動をたたえ合う、「コーテシーキャンペーン」という活動が行われていることも大きな特徴です。メッセージの数やその内容を高く評価されたスタッフは、表彰式で「スピリット・アワード」を授与されます。このように、オリエンタルランドでは従業員のやる気を引き出すような施策が行われているため、従業員満足度も高いのでしょう。

 

まとめ

従業員満足度を高めるには、職場環境を整えたり、やる気を向上させるための対策を講じることが必要です。そうすれば、優秀な人材を確保でき、ひいては顧客満足度を高めることにもつながります。今一度自社が従業員にとって働きやすい会社であるかどうか、従業員のやる気や熱意を引き出すような工夫ができているかを振り返ってみましょう。できていないところがあれば、優先順位を定めて改善に取りかかってみてはいかがでしょうか。

 

 

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