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新入社員研修ですべきことは?長いスパンで見る新人教育

健康経営ノウハウブログ編集部
2018/10/12 9:00:00

人事担当にとって採用後に待っているのが、新人研修です。この記事では新人研修の種類についての解説、実施にあたっての注意事項に触れつつ、配属後のフォローについても考えていきます。OJT、Off-JTといった代表的な新人研修から適宜、最適なものを選ぶ際のポイントなども紹介していきますので、すぐに実務に役立てていただけることでしょう。

代表的な新人研修

はじめに、新人研修の種類をおさらいしておきましょう。企業における代表的な新人研修は2つあります。

一つは現場で行われる研修OJT(On the Job Trainig)で、未経験の人材でも業務を遂行する中で先輩から必要な知識を吸収できるタイプの研修。もう一方は、Off-JT(Off the Job Training)と呼ばれるタイプの研修で、対面型以外に通信形式(動画視聴など)でも学べることが増えている研修です。

企業における新人研修では、適宜、それぞれの形式の研修を使い分けて実施されます。各形式の特徴を見ていきましょう。


OJT(On the Job Training)

座学では身につきづらい、『現場直結』の技能を効率的に習得することができるという利点があります。新人研修におけるOJTでは、体系化された項目を学べることが多く、先輩や教育担当のトレーナーから業務に必要な知識を最短で学べます。

一方、社内教育体制が不十分な企業(中小企業)では、しっかりと研修内容が体系化されておらず、テキストも揃っていないなどの問題もあり、その場合、人事、教育担当者にとっては研修内容の体系化、テキストやカリキュラムの整備が課題となります。

OJTの場合、教育担当となるのは先輩社員、トレーニング担当の社員となります。

 

Off-JT(Off the Job Training)

OJTが現場直結の教育であるのに対し、Off-JT(Off the Job Training)は業務外で習得しておきたい内容を、別途研修として実施します。Off-JTの例にはビジネスマナーやPCスキル研修、外部講師を招いた特別講習などがあります。

入社後の新入社員導入研修はOff-JTの代表格として知られますが、キャリアップしていく過程で管理職を対象とした『管理職研修』やマネジメント能力を向上させるための『マネジメント研修』などが実施されています。

企業によっては社員のスキル向上のためのキャリアアップ研修、資格取得支援の研修なども実施されていますが、積極的にOff-JTの場を設けている企業はまだまだ少数と言えるでしょう。

Off-JTの場合、先輩社員や研修担当者が行うこともあれば、外部の講師を招いたり、動画の視聴(eラーニング)による形式だったりするなど様々です。

 

外部と内部、それぞれの社員研修の良さ

新入社員研修の種類をおさらいしましたが、OJTとOff-JTの2つの研修形式以外に、企業内部で行う研修、外部講師や企業に依頼する外部研修があります。外部、内部で行う研修それぞれの良さについても見ていきましょう。

 

外部で行う研修

社内では知識やスキルの研修を行うことができますが、仕事に対する姿勢(考え方)やマナー、言葉遣いなどは外部講師を招くなどして、外部にアウトソースしてしまうことも可能です。

もちろん、自社で経験豊富、マナーや言葉遣いを得意とする社員を抜擢しての研修も可能ではありますが、その時間は既存社員が業務にあたることができないので、人的ソースをあまり割けないケースでは、必要に応じて外部委託するのが好ましいです。

一方で社内にて行っている研修に関すること、社内でのルール、キャリアの積み方などの相談には外部講師は対応できませんので、外部で行う研修の期間、開催する時期なども精査する必要があります。

OJTが都度、毎日必要な知識やスキルを教えることができる反面、外部での研修は適切なタイミングを見極めることが求められます。

 

ビジネス講座、マナー研修

マナーや言葉づかいに関しては一昔前の常識が変わってしまうもの。最新のビジネスマナーを学んだ講師を定期的に招くことで、社内のビジネスマナー向上ができるだけでなく、営業や販売、電話応対やメール対応などで目に見えて対応の善し悪しが分かるので、優先して研修を行うと良いでしょう。

また、経営学部などで学んでいない社員に対して、基礎的なビジネス講座、プレゼンの講座などを提供することで、社外でも通用する人材育成が可能となります。

 

【参考】オンライン講座と座学の併用

ビジネス講座やマナー系の講座に関しては、事前にオンラインで学習させておき、その上で短時間の座学を採り入れるのもおすすめ。社員ごとにユーザーIDを発行できるサービスもあり、学習状況の管理もでき、一石二鳥です。

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PC、SNS講座

スマホでのネットサーフィン、アプリ利用がメインになっている若い層にとって、オペレーションやリテラシー関連の講座を提供することは、リスク回避、作業効率アップにも繋がります。

入社時の条件としてタッチタイピングの可否、使用するオペレーティングシステム、ソフトの習熟度チェックなどを採用していない場合、基礎的な部分での教育に時間を割く必要があり、社外の講師に任せてしまう方が業務に集中でき、OJTなどにリソースも割くことができます。

また、近年ではTwitterの企業アカウントのように、社員が積極的にお客様(ユーザー、コンシュマー)とコミュニケーションをとることも多いため、リテラシー教育にも力を入れると思わぬトラブル防止につながります。

 

【参考】募集時にOS、バージョンの記載を

デザイン業界や映像、音楽業界での使用が多かったmac OSですが、以前より広く導入が進んでいます。以前は高額だったAdobe社のソフトが月額制、数千円台から使えるようになったこともあり、macの操作とAdobeのアプリを求める職場も出ています。

また、Windowsはバージョンによって操作感が大きく変わってきていますので、職場で導入されているバージョン(Officeも)を求人に書いておくと、採用後のIT研修を省略できます。

 

有名講師を招いた研修

ビジネス分野だけでなく、芸能人などを招いた外部研修なども新入社員には刺激的な機会となるでしょう。マナー研修やPC関連の講座はどちらかと言うと、基礎的なスキルです。このタイプの研修はモチベーションアップ、職業人としての意識向上に役立ちます。

必ずしも同一業界の有名講師である必要はなく、畑違いの講師であっても、有名で評価の高い人物であれば、検討する余地はありそうです。

しかし、単にファンだから、有名だから、人気だからと選んでしまうと自社にとって全く効果がない新人研修になる恐れもあります。そのために必要な視点をいくつかご紹介します。

 

講師選びのコツ

外部講師を招く際、意識すべきポイントをまとめましたので、役立ててください。知名度や報酬に惑わされず、自社にとって、新入社員の研修としてふさわしいものであるかどうか?を意識して、人選を行いましょう。

 

1.実務に役立つ視点や学びを提供できる

外部講師を招く理由は他でもなく、セミナーでの学びを実務に役立てるためです。有名であるからとか、泣ける話が聴けると評判だからなどという理由だけでなく、受講後の新入社員の変化までしっかりと検討段階で調べておくと良いでしょう。仲介業者がいる場合は担当者に詳しくヒアリングを行い、打ち合わせを密に行い、自社向けにセミナー内容をアレンジして貰うことも検討してください。

先輩社員からは直接伝えづらいことなども、上手に研修内容に組み込むことで、効果的な研修が実施できます。そのためには、事前に社内での綿密なMTGや、入社数年の社員への聞き取りなどが必要です。

上司、経営者の代弁者としても、研修講師を役立てるような視点を持って、新人研修の準備を行い、可能であれば数回、講師と直に会い、打ち合わせをしましょう。もちろん、費用は掛かってしまいますが、その分、効果的な研修が行える可能性が高くなります。

 

2.惹きつける話術、魅力

また、意外と盲点なのが話術以外の伝える力、受講生を惹きつける魅力の有無です。

どんなに有名な講師で実績をあげていたとしても、新入社員が興味深く話に聞き入らないようでは、外部講師を招く意味がありません。事前に講師の動画をみてから申し込みをするなど、注意したい所です。

ただ、管理職など決裁者と新入社員との年齢に開きがある場合は要注意です。事前に視聴した動画で魅力的と思った講師であっても、新入社員には無味乾燥な存在に映ることもあります。

事前に入社歴が浅い社員をメンバーにいれ、講師選定リストを作り、可能であれば個別面談などすることで、自社にマッチする人材を見つけましょう。年度ごとに新人の男女比が違う場合などは、受講する社員の顔ぶれによって、講師を変えていくのも良いでしょう。

 

3.アンケートの有効活、より効果的な講座を

同一の講師を複数回招く場合に限らず、研修の質をアップするためにはアンケートを活用すると良いでしょう。

その際になるべく本音を汲み取れるような設問、自由記述エリアを多く設けるなどの工夫をすることで、次回以降の新入社員研修の質を高めることができます。アンケートの際にはやみくもに回答項目を増やすだけでなく、回答に疲れない工夫、具体的に回答しやすい問いなどを意識すると良いでしょう。

 

内部で行う社員研修

OJTに代表される、内部で行う研修の良さは一言で表すならば、無駄なく、必要な知識を教えられる点と言えるでしょう。教育担当の先輩社員、トレーニング担当が一対一で指導する形式なので、必要な知識やスキルをスムーズかつ、ダイレクトに新入社員に教えることができる点もメリットです。

しかし、その一方で指導する先輩社員によって、教え方に違いが出てしまい、ひいては新入社員ごとにレベル差が出てしまうことも懸念されます。新人教育を担当する社員に対しても、事前に研修や知識の定着、MTGを行うなどの工夫も必要となるでしょう。

また、OJTを行うメリットとして、単発の外部で行う研修とは違い、日々、現場直結の指導を受けられる点なども強みです。より現場力が高い人材育成のため、新人研修のカリキュラムを社内で設定したり、オリジナルのテキスト、評価項目の精査なども求められます。

business_72先輩社員の動き、思考を学べる

OJTに代表される内部研修では、指導担当の先輩社員の動きや業務に対する思考プロセスを共有し、新入社員に学ばせることが重要です。座学でも表面的な部分は学べますが、実際に起こるアクシデント、ケースごとの対応などについては、現場で先輩社員から都度、指導を受けるのが最短で成長する方法として有効です。

作業的なものだけでなく、営業担当者の成約までのアプローチ、販売員などであればお客様ごとのニーズの把握など、先輩社員の行動や思考を言語化して新入社員に教育することで、現場レベルの人材が育ちます。

事業規模が大きい企業、毎年の採用人数が多い企業では、できるだけ早期にマニュアル、カリキュラムを整備し、効率的かつ安定的な新人教育研修が実施できるようにしましょう。

 

言語化するのは難しい?

OJTがシステム化されていない中小企業にとっては、既存の社員で集まり、業務内容、成功事例の整理を行うと良いでしょう。営業職などでは、結果をだしている人材の工夫、アプローチを社内で共有するいい機会にもなります。

全社員、各部署どちらでも小規模な人数で意見を集約していくことで、OJTの質の向上、スキルや知識の言語化する際の精度を高め、新人教育を効果的なものにできます。必ずしも結果を出している人材が教え上手とは言い切れないので、カリキュラム化する人材は別に割り振りましょう。

社内で出た意見、アイディアはすぐに新人研修のカリキュラムに反映していくことで、効率良く人材育成が可能になります。

 

教えることで、先輩社員が成長する機会にも

新入社員にとって仕事に必要なスキル、知識を最短で学べるOJTですが、副次的な効果もあります。それは、教える側の先輩社員のスキル向上、成長につながるということ。常日頃、当たり前に業務にあたっている社員であっても、いざ自分が行っている業務を言語化し、経験が浅い新入社員に教えるというのは中々、難しいものです。

新入社員の成長を既存社員の人事評価の一つとしても活用している場合は、より高いモチベーションを持って新入社員教育に取り組むことができます。指導した新入社員が成果を出し、成長していく様子は、先輩社員にとっても成長するモチベーションになります。

また、定期的に教育担当の社員を集めたMTGを開くことで、より内容の濃い、新人研修ができるようになります。

 

教育担当者に最適なのは?

新入社員の内部研修において、教育担当としてふさわしい人物はどのような人物でしょうか。

現場経験豊富な社員はもちろん、入社2~3年目などこれから長期的にキャリア形成をしていく社員のステップアップにも最適です。

また、教育担当者と指導される新入社員との相性問題も考えましょう。新入社員にとって、新人研修時に職場で最も長く時間を共にするのが、教育担当の社員でもあるので、その人選は適切に行う必要があります。

単純に現場経験豊富である、勤続年数が長いと言った理由で選ぶことが適切ではなく、場合によっては新入社員の特性を見極めて、最適な人選をすることが、短期間で人材を着実に育成するためには欠かせません。

新入社員が先輩社員や同僚との人間関係の良好さ、自分の能力に対する肯定感を感じるかどうかも重要。新人育成の一つの課題と捉え、教育担当の人選を行うと良いでしょう。

 

【参考】離職理由に占める人間関係の度合い

ここで興味深いデータがあります。厚生労働省による『雇用動向調査』によると、離職理由において、人間関係がうまくいかなかったからとしている割合は17.7%(男性16.9%、女性18.8%)となっています。

能力や実力が正当に評価されなかったという回答結果は15.9%(男性17.8%、女性13.3%)となっていますが、このデータを新入社員研修担当の皆さんはどのように受け止めますか。

社内の環境整備、辞めさせないための工夫、モチベーション維持も離職率を食い止める意味で社内研修に組み込みたいですね。

 

新入社員のモチベーションを下げないコツ

先の厚生労働省発表の調査にもあったように、離職理由に占める人間関係の割合は一定数あり、考慮すべき課題の一つです。

ここでは、新入社員のモチベーションを下げずに、新人研修に集中して取り組めるようにするためのヒントをご紹介します。

 

1.言葉遣いに気をつける

OJTを行う先輩社員、教育担当者は新入社員にとっては大変な影響力を持ちます。また、一日の多くの時間を接する相手でもあるので、その言葉遣いは新入社員のモチベーション維持に大きな影響を与えかねません。

中途採用者へのOJTでも同様ですが、特に新入社員に対しては十分な配慮が必要で、言葉遣いを意識的に変えていくだけでも、すぐに効果が出ます。

できないということに対して否定しない、相手との関係性を遠ざけてしまうような言葉を使わないようにしましょう。

新入社員は経験が十分でない状態で入社することがほとんどですので、「なんで、そのくらいのことが分からないのか?」や「そんなこともできないのか?」というような、否定の意味合いが強い言葉は避けるべきです。

また、一回や二回教えた所で容易にスキルや知識を習得できないケースも想定して、「この前教えたでしょ?」や「先週教えたばかりだけど、なんでできないの?」というような言葉も使わないようにしてください。

技術は見て盗めという言葉は昔の考えで、今はしっかりと寄り添って教えるというスタイルでないと、若い世代の新入社員は育たないということを頭に入れるべきです。

 

【参考】クッション言葉的表現、柔らかい表現を用いる

新入社員への指導時に、どうしても言葉がキツくなってしまうという方は、否定をせずにクッション言葉を使うようにすると良いでしょう。「いつも丁寧に作業ありがとう。ちょっといいかな?」などのような表現です。

相手への労いや感謝の気持ちを先に示すことで、指摘が多めになってしまっても、比較的素直に聞き入れてもらええます。

 

2.小さな評価を積み重ねてあげる

先の調査結果にもあった、能力や実力を正当に評価されなかったというアンケート結果には、もちろん実力不足だった社員もいるかもしれませんが、その一方で防げる離職もあったことでしょう。

経験豊かな社員にとっての当たり前でも、新入社員にとってはハードルが高く感じることもしばしばです。昨日より成長した点、少し良くなった点などを積極的に褒めてあげる雰囲気づくりも重要になってくるでしょう。

段飛ばしにスキルや知識の習得ができるはずもなく、一歩一歩、地道に成長できるように教育担当は見守る意識を持ちながら、新人教育にあたり、小さな評価を積み上げてあげると良いですね。あなたも新人の頃、思うように成長できずもどかしい思いをしたり、先輩がふと優しい言葉を掛けてくれて救われたことがあると思います。

その頃を思い出して、直接教えている時はつい厳しい口調になってしまう場合でも、面談の機会を定期的に持つことで新入社員の成長を認め、よりモチベーションを向上させることができるのです。

 

【参考】相手と揃える、合わせる

これは心理的に安心させるテクニックの一つなのですが、面談の際に同じ飲み物を飲んだり、同じような服装(上司がノーネクタイ、新入社員がスーツなどではなく)にすることも重要。

営業などではよく、商談相手と同じトーンを選ぶなどして、心理的な距離感を縮めるなどの工夫がされ、これは面談時にも有効です。

 

3.あら探しよりも、良いところを伸ばす工夫を

悪い点、足りていない部分というのは目に付きがちですが、人は褒められると嬉しいものです。まだまだ、できることが少ない新入社員にとっては、自分の「あら」を探されて、毎日指摘ばかりされていては息が詰まるのです。

これは新入社員教育という側面以外にも、会社の評判を下げないという意味合いもあり、仮に相性が悪く離職したり、転職などした場合も、しっかりと良さを伸ばす工夫をしていた会社は良い評判を転職サイト、採用情報サイトなどで目にします。

長期的に自社のブランド力、現場力ある人材を育成することを考えれば、お互いに褒め合える風土、MTGや仕事外での飲み会等のイベント企画等も必要となるでしょう。

実際、採用活動に力を入れている企業では、良いところを伸ばせる工夫をしていることをアピールしたり、上司と部下のフラットな関係性を強調していることも増えてきており、指導ではなくお互いの良いところを褒め合う文化を醸成することも、新人研修を考える上で、重要な要素です。

日常的に褒め合う文化、制度を導入することで、のびのびとした人材が育ちやすくなります。

 

【参考】自社に誇りを持つ

ブランド力がない企業、なかなか新卒が集まらない企業にとって、まずすべきことは、自社に誇りを持てる風土づくりです。

良いところを見つける工夫でも触れたように、会社の印象を良くするために新人教育にも力を入れていけば、自然と評判も良くなり、離職率の低下、新卒の応募総数アップなどが見込めるでしょう。

そのためには、今いる社員が「この会社に入って良かった」と思える風土づくりをする必要があります。まずは、新入社員の研修で自社を誇れるように教育していくこと、そのようなムードを社内に作ることが大事です。

 

リーダー育成を視野に入れた研修

新入社員向けの研修にぜひ採り入れたいのが、リーダー育成を視野に入れた研修です。基礎的なスキル、業務で必須のスキルや知識の習得に終始せず、長期的な視点で人材育成をしていきましょう。 business_73

リーダー候補になってからでは遅い

入社間もない頃には何も知らない新入社員も、数年経てばあっという間にリーダー候補に抜擢されます。しかし、その時に全くリーダーとしての教育を受けていなければ、どうでしょうか。

入社時から社員のキャリアアップを見越した、リーダーシップ教育を組み込むことで、無駄なく時間を使い、効果的な人材育成が可能です。いざ、リーダー候補になった社員が困らないような研修体制を確立しておきましょう。

とは言え、自社でリーダー候補を育成するのは、ノウハウがないと難しいため、しっかりと経験がある人材への聞き取り、外部への委託なども重要となります。

ここでは、リーダーシップにおけるヒント、基礎的な概念を紹介しますので、ぜひ社内研修でのカリキュラム検討に役立ててください。


サポートもリーダーシップ

リーダーシップと言うと、積極的にメンバーを引っ張っているようなイメージを抱きがちです。

しかし、目に見えぬところで、プロジェクトメンバーのサポートをすることなども、リーダーシップには重要な要素。メンバー間の調整をする力、強調性なども入社時から養えるプログラムを組んでいきましょう。

実務では、ちょっとしたした頼みごと、調整を新入社員の段階から行わせることで、主体的に動く人材育成に結びつきます。

トップダウン式の組織ではなく、メンバー間でサポートし合うような組織であれば、風通しも良く、スムーズな意思決定も行えます。統率力が高い人材ではなく、サポート力、調整力が高い人材育成に力をいれましょう。


リーダーシップの3要素

リーダーシップは3つの要素を基に考えていきましょう。その3つとは、パートナーシップとボスマネジメント、フォロワーシップです。

 

1.パートナーシップ

上下関係、教える、教わるという関係のような立場の差は時として、スムーズな意思決定やスピード感の欠如に繋がります。互いに信頼しあって、共に働く仲間として尊重し合うことで、パートナーシップがあるリーダーシップが実現します。

周囲を引っ張っていく統率力だけでなく、一方でメンバーが認められている(肯定感)と感じる言動、パートナーシップの意識も重要です。パートナーシップのある関係性、組織は風通しが良く、新入社員や経験の浅いメンバーでも発言しやすい特徴があります。

近年は社内のメンバーに対してのインタビュー記事を通じ、上司との関係性を発信する機会もあります。そのため、良好なパートナーシップの有無は長期的視点で取り組むべき、課題の一つとも言えるでしょう。

 

【参考】尊重し合うための声がけ

仕事に集中するあまり、どうしても語調が厳しくなってしまうことはありませんか。

新入社員の場合、未経験の業界に対する不安や学生と社会人との違い、ギャップに苦しみ、上手にパフォーマンスができないことがあります。そんな時に、良いところを見つけて褒めてあげるといいでしょう。

具体的には、「〜さんのそういう所、とても助かってるよ。」や、「〜さんは○○なスキルが高いよね。期待してるよ!」などの表現を用いると良いです。尊重されていると感じることで、素直にアドバイスを聴き入れるようになり、新人教育もスムーズに進みます。

 

2.ボスマネジメント

『上司が部下を動かす』という意識とは逆に、部下がボス(上司)をマネジメントするのが、ボスマネジメントです。

上司はただ単に部下に指示を出すだけでなく、部下がコントロール可能な存在なのです。例えば、上司は以下のような側面で業務遂行する際に、部下を助ける存在です。

 

悩みごと、キャリアに関する相談

  • 重大なミス発生時のトラブル対応
  • 自分では能力不足な仕事の対応

リーダーシップを発揮する上で、リーダーである自分では対応できない局面もあります。損な時に更に権限を持つ上司との関係を良好にし、良い環境を作る上でボスマネジメントは有益です。

 

【参考】上司と良好な関係を築くコツ

頭ではボスマネジメント、リーダーシップについて理解していても、上司との関係性の構築には時間が掛かります。

やはりどこまで行っても、人間関係なので、上司と言えど、腹を割って話せる場、食事や飲みなどに誘ってみるというアプローチも大切。

それほど難しくない悩みごとであっても、上司を誘って食事をしながら相談してみることで、関係性がタイトになります。頼られているという実感は何より、何かしてあげたいという意識にもつながるので、積極的に誘いましょう。

おべっかを使うという意味ではなく、仕事以外でも交流を持ち、人間同士の交わりを持つこと。そのことが、出世した時のボスマネジメントのしやすさに直結します。

飲みや食事の席では仕事の話だけでなく、趣味や家庭の話を適度に採り入れ、できるだけ上司のことを知るようにすると、関係性の構築もしやすくなるでしょう。

 

3.フォロワーシップ

フォロワーシップでは、部下としての力が試されます。上司を支える立場としての能力として、しっかりと養うことで、リーダーシップとフォロワーシップを使い分けることができます。

部下として求められる調整力や、プロジェクトの目的などを把握し主体的に動くこともフォロワーシップです。また、時に上司の判断ミス、トラブルに発展する可能性がある際には、臆せずに意見することも重要。

ただ黙って上司に従うという意味ではなく、上司の良き補佐役としての能力を培うことも大切です。リーダーシップとフォロワーシップを適宜使い分けることができれば、優れたリーダーとして振る舞えます。

フォロワーとしての優秀さは裏を返せば、優れたリーダーであるとも言えます。

 

【参考】目立つだけがリーダーじゃない

リーダーと言えば目立つ、カリスマ的な統率力を持つイメージを抱いていませんか。

あなたの周りで目立たないけども、あの人がいるとうまくいく、いつも率先してフォローに回ってくれる人というのがいるはずです。そのような人をよく観察してみましょう。

実は優れたリーダーに優れたフォロワーシップありということが分かります。

 

新人研修の注意すべき点

外部研修についての項目でも触れましたが、新人研修において注意すべき点を3つ挙げますので、参考にしてください。新人研修では効率的かつ、効果的な研修の遂行が求められますので、自社の研修制度の見直しに役立てましょう。

 

1.演出が過剰

新人研修で求められるのは効果ですので、感情に訴えかける内容ばかりに終始し、感動の講座で終わってしまっては意味がありません。

講師の身の上話が延々と続いたり、最後の締めくくりに感情が高ぶるような演出は過剰と言えますので、見直しが必要です。

 

2.現実的でない計画を立てる

新人研修を受けるのは実務に関する知識も、現場のことも知らない人材であるということを意識しましょう。

例えば、「今後のキャリアプランは?」などと尋ねた所で、就活生の面接で出てくる答えと違いがなかったり、到底実現できないような夢プランを立ててしまうケースすらあります。

 

3.研修後アンケートで講師を評価しない

同じ企業に外部講師を招いた研修を依頼する場合、アンケートの機能不全が起こってしまうことがあります。つまり、アンケート結果が全く、講師の評価に繋がってないケースです。

解決策としては、講師の心象を悪くしたくない仲介業者ではなく、自社でアンケートを作成し、集計。その上で講師に改善の要望を出すと良いでしょう。

意欲的な講師なら、しっかりとフィードバックとしてアンケートを活用しますが、改善要望に応じない場合などは、別の講師を探すことをおすすめします。

business_74【参考】良い講師は人気で、予約が埋まってしまう

仲介業者経由で講師を探すのではなく、もう少し多角的にリサーチを進めるべきです。なぜなら、まだ表に出ていない人材の中に、自社の若手を育成するホープが隠れているかもしれないからです。

例えば、Twitter等で講師をやっている人材を探す際には、ハッシュタグ検索が使えます。イベントを告知するサイトなどをくまなくチェックすれば、まだ人気ではないながらも、実力ある講師を探せるかもしれません。

いつ良い講師を見つけても良いように、自社の資料、新入社員研修に求めるものをまとめた資料を用意しましょう。

 

配属後のフォローと注意点

新入社員導入研修が無事に済んだら、配属後のフォロー、注意点を確認しながら人材育成をしていくフェーズです。

 

1ヶ月目:関係構築のサポート

新入社員にとって、既存の社員との関係構築は乗り越えるべき第一関門です。新入社員歓迎会を開くのはもちろん、可能なら、社員全員と接点を持てるように工夫しましょう。(ランチをグループに分けて、全メンバーと一度は食事できるようにするなど。)


2ヶ月目:ストレスに注意

ある程度、社内の環境に慣れた所で気になるのが、ストレスの問題です。一見、仲良くしているように見えるようでも、新入社員と既存の社員には溝があることもあり、なかなか相談できないものです。

皆さんの中にも、ある種の孤立感、腹を割って相談できない不安感に覚えがある方もいるはずです。分からないことはないか、馴染めているかなど、適度な距離感で尋ねてみましょう。


3ヶ月目:これまでの振り返り
3ヶ月目に入ると、かなり社内にも慣れて、ストレスも軽減されているはず。しかし、ここでもう一人前扱いしてしまうと、新入社員は壁にぶつかってしまいますので、注意が必要。

これまで行ってきた研修、仕事内容の振り返りを先輩社員と一緒に行うことで、新入社員のさらなる成長を目指します。

毎週、特定のテーマを与え、それに対する考えなどをまとめさせることで、フィードバックを返すのも良いでしょう。

 

まとめ

新入社員研修ですべきこと、長期的なスパンでの注意点などをまとめましたが、いかがでしたか。

社内での教育係の選定ポイント、外部講師の選択、注意点なども参考にして、自社の貴重な人材を育てる研修制度をアップグレードしましょう。企業にとって、新人教育は将来へ投資。新人教育制度の確立、カリキュラムの見直しは長期的な会社の成長や人件費のカットなどになって、返ってきます。

また、教育係になった社員の指導法に関しても、任せっきりにせず、定期的に話し合う機会を持ち、人材が育ちやすい空気を作っていくことも重要ではないでしょうか。

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