幸せな働き方改革サービス
幸せな働き方改革サービス
Menu
幸せな働き方改革サービス

形だけの働き方改革では無意味!意識の変革と残業代の関係

健康経営ノウハウブログ編集部
2018/10/09 9:00:00

2018年に働き方改革関連法が成立し、残業時間に罰則つき上限規制が設けられるなど、長時間労働是正のための取り組みが本格化してきました。働き方改革が広く周知されたことで、時間外労働時間とともにサービス残業を減らすことに成功するなど、一定の成果を出している企業もあるようです。

しかし多くの企業では以下のような状況が見られます。

  • 企業側は時間外労働を減らそうとするが、具体的な解決策は提示しない
  • 無駄な業務の取捨選択などの策もないまま、残業時間の規制をする
  • 特に、残業代の代替案を提示しないため、社員が本気で生活残業を減らそうとしない

このように、まだまだ本質的な意識改革には至っていないという現状もあります。とにかく早く帰れと上司から言われ、時間になるとビルが消灯するため、持ち帰りでサービス残業をしているという声を聞くこともあります。

 

そもそも、働き方改革とは、何のために行うものなのでしょうか?

働き方改革の本質的な目的は「生産性の向上」です。生産性を向上するには、仕事のムダを見直し業務を効率化することによって、労働時間の短縮を図る必要があります。

その結果として残業時間が削減される、というのが正しい流れです。具体策がないまま、残業時間を削減しろという指示を出しても、単に社員にストレスをかけるだけになってしまい、転職・離職による定着率低下につながる可能性もあります。生産性を向上するには、企業側が仕組みやシステムを用意することに加え、社員の意識変革が必要になります。

 

形だけの働き方改革では、社員の意識変革はできません。企業側が業務効率化のためのITインフラなどを導入しても、社員の意識が変わらなければ結果はついてこないでしょう。 生産性を向上させ、残業時間を削減する働き方改革のためには、経営陣・社員両方の意識変革と、経営陣が「残業代の代替案を出す」という身を切る覚悟も必要です。

この記事では、働き方改革に成功したSCSK株式会社の事例をもとに、経営陣がどう働きかければ社員の意識が変革するのか、意識変革と残業代の関係と、残業代の3つの代替案について解説します。

 

残業は減ったけど…。給与も減ってやる気ダウン

働き方改革の主役は、現場の社員です。社員の意識を変革するには、働き方改革を実現した先に広がるビジョンを、経営陣が見せることが必要です。残業時間が減り、プライベートの充実や家族との時間を持つなど、仕事人間を脱して人生を楽しむことができる。そうしたビジョンを、現場の社員が素晴らしいと思うなら、その実現のために自然と意識も変わってくるでしょう。

しかし、働き方改革により残業が減ると給与も減って、生活費に充てられるお金が減り消費意欲まで減退してしまうという意見もあります。働き方改革が進んだ結果、給与が減ってしまう未来が見えるなら、社員も苦労して改革を推し進めようという意識にはなりません。

では、経営陣はどうするべきなのでしょうか?

 

収入はそのままに、生活残業の削減を

ひとつの答えは、残業時間を削減しても現在の収入を保証する、と経営陣が宣言することです。残業してもしなくても収入が変わらないのなら、生活費を稼ぐためにわざと残業する「生活残業」が減り、現場の社員も業務の効率化を本気で考え始めるでしょう。実際に経営陣が「削減できた残業代は、全額社員に還元する」という姿勢を社員に示すことで、残業時間の削減に成功したSCSK株式会社の事例をご紹介します。

 

SCSK株式会社の例に学ぶ

SCSK株式会社は、2018年3月末現在で12,054名(連結)の従業員を抱える大手IT企業です。IT業界は、クライアントから24時間365日の対応が求められるため、各種業界の中でも特に長時間労働が多いのが特徴です。住友商事副社長を経て、2011年にSCSKの社長に就任した中井戸信英氏は、「モーレツ社員」が代名詞の総合商社においても、定時に帰っていた異端児でした。住友商事時代にはドイツや米・シリコンバレーに赴任し、各地で生産性の高い働き方を目にしています。

そんな中井戸氏が、SCSKの現場を目にして「クライアントの経営課題を、知識と創造性によって解決する仕事を担っている企業が、こんな労働環境に甘んじている事態はありえない」と一念発起し、働き方改革を断行しました。

business_47

「残業半減運動」成功も、繁忙期には逆戻り

経営陣がまず行ったのは、豪華な食堂や診療所、マッサージルームの新設など健康環境の整備と人事制度の整備です。裁量労働制やフレックスタイム制の導入などと並行して、2012年には、残業の多い部署を対象に期間限定で「残業半減運動」を実施しました。

結果は、約半数の部署で目標を達成できました。しかし、繁忙期である年度末になると、残業時間が急増して、長時間労働に逆戻りしてしまったのです。

 

残業代の全額還元を宣言、「スマートワーク・チャレンジ20」の成功へ

こうした失敗から経営陣は、残業が減ることで給料も減ることへの社員の不安が、働き方改革を進める上で一つのネックになっていることに気づきました。そこで経営陣は、削減できた残業代は、社員に「特別ボーナス」として全額還元することを宣言したのです。

その上で2013年4月、全部署を対象に「スマートワーク・チャレンジ20」を開始しました。スマートワークという名称は、効率的(スマート)に働いて(ワーク)という意味です。そして、20という数字には、目標とする平均月間残業時間20時間以内・年次有給休暇20日取得の達成という意味が込められています。SCSKでは、客先で開発・運用保守をしている従業員もいます。同業他社が残業可能なのにSCSKだけ残業ができない状態では、クライアントの理解を得るのは難しいです。そのため、経営トップが自ら手紙を書き、各役員がクライアントの役員層へ持参して協力を依頼しました。

結果、1ヶ月の平均残業時間が、2008年:35.3時間→2013年:22.0時間→2014年:18.1時間と、スマートチャレンジ2年目で目標を達成することができました。

 

残業代の代替案を提案することで、社員の意識を変革する

SCSKが残業時間削減に成功した理由の一つには、削減できた残業代を社員に全額還元すると、経営陣が宣言したことが挙げられます。それによって、経営陣の本気が社員に伝わり、社員も本気で効率的な働き方を考えるようになり、社員の意識が変革されたのです。

SCSKの事例から、働き方改革を成功させるためには、社員だけに意識変革を求めるのではなく、経営陣も身を切る覚悟で、残業代の代替案を提示することが必要だと学ぶことができます。

 

残業代の代替案を考える

では実際に、残業代の代替案にはどのようなものがあるのでしょうか。残業代を削減するのなら、その分給与を上げるのが、社員にとっては最も分かりやすく効果的です。

しかし、基本給自体を底上げするベースアップは定期昇給や残業代、ボーナスなどの算定に影響するため企業にとっては負担が大きく、残業代の代替案として行っている事例はほぼないのが現実です。ここでは、残業代の代替案として福利厚生をご紹介します。

business_46-1

手当で支給

2つ目は、残業代の削減量に応じた、賞与や手当などの報酬の追加支給です。ベースアップと比べれば負担が少なく比較的導入しやすいため、ITインフラの導入など、働き方改革のための大きな経費の予定がなければ、ぜひ検討したい案です。上述のSCSKの場合、残業時間削減の目標達成度に応じて、2013〜2014年度に賞与を上乗せして支給しました(ただし、目標達成に従い2年限りでこの制度を廃止)。

アルプス電気では、残業時間削減に努めた結果、2017年度下記の残業時間は月平均で1人あたり2.4時間削減(前年比)できました。削減された残業代の3分の1にあたる金額を、2018年の夏季賞与に上乗せして還元しています。

また、はるやまホールディングスでは、定時退社した社員に月額15,000円の「ノー残業手当」を支給する制度を2017年4月から導入しています。

 

福利厚生サービスの導入

3つ目は、福利厚生サービスの導入です。中小企業が自前の福利厚生を充実させるのはコスト面で負荷がかかりますが、外部の専門企業にアウトソーシングすることで、低価格で大手企業にも劣らないサービスの提供が可能となります。食事補助や健康増進メニューの充実やライフサポートなど法定外福利厚生はさまざまな形態を提供することができます。福利厚生サービス単体は残業代の代替案にはなりませんが、実施する施策によっては報酬以上の効果を発揮することも可能です。

 

まとめ

残業時間を本気で削減するためには、形だけの働き方改革では無意味です。働き方改革の目的は「生産性の向上」です。生産性を向上することで労働時間を短縮し、結果として残業時間が削減できる方法を、経営陣と社員が一丸になって考え取り組む必要があります。

この記事では、経営陣が「削減できた残業代は、全額社員に還元する」と宣言したことで残業時間を削減できたSCSK株式会社の事例を紹介しました。働き方改革に取り組むには経営陣の働き方が重要であることを実感できたのではないでしょうか?

Email登録で最新情報を入手