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医師の働き方改革とは?医師の特殊性による働き方改革への課題は?

健康経営ノウハウブログ編集部
2019/04/09 12:00:00

より良い労働環境を作る「働き方改革」を政府が推し進めています。高度な専門知識が必要なこともあり、全人口に対する有資格者数が少ないために時間外労働をせざるを得ない医療現場。働き方改革では、特に医師の時間外労働に上限を設ける方向性で調整が進んでいます。医師の過重労働の現実と働き方改革で変わる働き方を見ていきましょう。

 

医師の勤務の実態や問題点

1週間の労働時間が60時間を超える勤務医(以下、文中では「医師」)が母数の40%程度を占め、さらに80時間以上の勤務をしている医師が約10%存在します。

これが日本の医療現場が直面している問題です。患者の命や健康を預かる医師の過度な時間外労働に上限を設けることが急務になっています。

 

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【出典】 生労働省 第1回 医師の働き方改革に関する検討会 医師の勤務実態等について

 

勤務医の長時間労働による肉体的・精神的な健康被害

病院に勤務する医師は長時間労働になる傾向が高く、過度な時間外労働と宿直業務が大きな負担になっています。

特に、人口における医師数の少ない地域での医療や小児科、産婦人科や外科ではそれが顕著に表れています。長時間労働が続けば十分な睡眠時間の確保が困難になり、心身共に休養できる時間が減っていきます。

その結果、交感神経が活発な状態が続き、精神的な不調や脳・循環器などの疾病につながる可能性があるのです。

 

医師法の規定(応召義務)の存在

医師法の第19条に“診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。”と明記されています。

【出典】医師法

 

宿直制度のない病院において、医師の指示による応急処置を行わなければ患者の命に関わる可能性が大いにある場合、医師は宿直の有無とは関係なく病院からの応召(呼出し)に応じる義務があります。これは法的な義務のため、応召義務に違反すると医師法に基づき、私法や行政処分が下される可能性があります。

そのため勤務を終えて就寝しても、心が休まらない医師が多く存在します。特に、日本の小・中規模の医療機関が抱えている問題です。

 

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【出典】厚生労働省 第10回 医師の働き方改革に関する検討会 医師の応召義務について

 

宿日直・自己研鑽の問題

医師は、通常の外来診療に加え担当入院患者の診療や宿直に対応する必要があります。宿直時には、一定の睡眠時間が確保されていますが、緊急時にはその対応をしなければなりません。急変した入院患者や救急搬送された患者が多い日には、仮眠すらできないこともあるのです。宿直で待機している時間は労働時間とされますが、十分な睡眠が確保できない日が続けば、次第に精神的・肉体的にも修復が不可能な状態に陥っていきます。

 

また、医療分野の技術も他の分野と同様に日進月歩。通常の業務に加え、新しい技術や知識を学ぶ時間を確保しなければなりません。勤務後や休日に論文を読んだりセミナーや研修に参加したりし、自己研鑽を重ねているのです。

 

医師の働き方改革の内容や目的は?

常態化した医師の長時間労働を是正するために、厚生労働省が主になって「医師の働き方改革に関する検討会」が開かれています。

2019年1月11日に16回目の検討会が予定されていて、更なる長時間労働等に対する是正の検討が進んで行く見通しです。

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超過勤務是正は応召義務と矛盾する

2018年12月に開かれた「医師の働き方改革に関する検討会」では、医師が勤務日に最低6時間程度の睡眠を確保できるように議論がなされました。加えて宿直の場合を除き、おおよそ9時間の通常の労働時間後から翌日の勤務まで9時間の休息を設けるよう、検討会で提言されています。具体的な時間外労働の上限時間は検討会での議論の上、2019年3月に最終的な結論が提示される模様です。

 

しかし、ここで問題になることが応召義務。仮に検討会で勤務医の労働時間の上限規制が盛り込まれたとしても、重篤な患者の措置への応召が病院から頻繁になされた場合、この規制も意味がなくなります。労働時間の上限に対する規制はできても、医師法には従わなければいけないという矛盾が生じてしまいます。

 

労働環境の改善が目的ならば根本的な問題の解決が必要

医師の心身の健康を守るために、過剰な時間外労働を是正することが目的の医師の働き方改革。しかし、常に変化をし続ける医療技術や高度な専門技術を活かして患者への措置をするといった、人の命を預かる「医療」という現場。他の業種のように効率化を図ることで労働時間を短縮することはできません。

 

また、比較的医師数の多い地域と医師数の少ない地域を同列に語ることもできません。時間外労働の上限を設けることを検討会が推し進めていくことも良いでしょう。しかし、単純に時間外労働の上限を規定するのではなく、診療科目や都道府県別の医師の時間外労働を細かに見ていく必要がまだあるはずです。

 

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【出典】厚生労働省 第5回 医師の働き方改革に関する検討会 医師の労働時間を 取り巻く状況について

 

医師の働き方改革で予想される影響は?

常に過度なストレスに晒される医療の現場だからこそ、休息時間の確保を推し進める制度を設ける必要があります。

しかし、医師の時間外労働に上限を設けることで起こり得る弊害もあるのです。医師の労働時間に上限が設けられた場合、風邪をひいて受診しようとした際、医師の労働時間によりその日のうちに診察が受けられなくなる可能性があります。多くの症例を経験し専門性を身に着けるために、大病院の医局に勤務する若手の医師もこれから更に増える可能性もあります。

また、今の時点でも人手の足りない小児科、産婦人科等は時間外労働の多さから、未来の医師から敬遠される可能性も捨てきれません。コップの水で例えると、医師らが時間外労働をすることで今にも溢れ出しかねない日本の医療体制を保っているのです。

 

医師の働き方改革を進めるには?

医師の働き方改革は「単純に時間外労働を削減すれば良い」では解決しません。医師の働き方改革を実現するためには、医師の負担を減らす多種多様な努力を厚生労働省主導の下、更に進めていく必要があります。日本の人口が減少している今こそ、時間外労働時間の議論に留まらず、官民一体となって医師の負担を減らす技術開発や工夫をしていく必要があるのではないでしょうか。

 

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