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働き方改革、企業側がすべきことは?事例からヒントを得よう

健康経営ノウハウブログ編集部
2018/10/08 17:00:00

政府の働きかけもあり、各企業では働き方改革を推進しようという機運が高まっているという現状です。しかし、よくよく調べてみると「生産性を顧みず単に残業時間を強引に減らした」とか「制度は導入したが社員の意識は高まらず、何の改革にもつながらなかった」という声も聞かれます。 少子高齢化などによる社会構造の変化などによって、長時間労働による弊害が叫ばれている反面、残業を減らす、有給休暇を増やすなといった改革を実施すると生産性が低下するのではという不安もあるようです。このような事情から、企業側も中々踏み込んだ改革を行いにくいという側面もあるのです。そこで、今回は長時間労働を巧みな方法で改善し、ワークライフバランスを是正し、しかも生産性を上げるという素晴らしい成果をあげている企業の事例をあげてみました。

 

参考にすべき取り組み例

短時間勤務

短時間勤務とは正社員でありながら、1日の労働時間が通常の8時間より短いものや、労働時間は8時間であっても、労働日数が週3日などである場合など様々な形態があります。主な問題点としては、通常より労働時間が短いことによる給与の減少が生じるという点と、人事評価が不公平になるケースがあるという点だと思われます。この問題点を企業はどう克服しているのでしょうか。

 

【事例1】日本IBM

日本IBMでは、単に1日の勤務時間を8時間以内にするという時短勤務に加えて、週の勤務日数を週3日や週4日勤務に変えられる「時短勤務」を導入しています。育児や介護を行なっている社員のみならず、エンジニアがスキルアップのための資格取得に利用するなど、社内でもかなり浸透しています。問題となりやすい人事評価についても、時短勤務による影響を上司と相談して合意に達してから実行に移せるため公平感の強いものになっているのです。給料は週3日勤務であれば通常勤務の50%に、週4日勤務であれば70%にと減額されます。

参照:日本IBM 短時間勤務制度

 

【事例2】サイボウズ株式会社

サイボウズは2007年に「ワーク重視」型及び、「ライフ重視」型という2種類の人事制度を導入しました。後者の「ライフ重視」が時短勤務に該当します。この制度の最大の特徴は社員一人ひとりの生活設計に応じて、1日の労働時間や日数の自由に設定できるということです。人事評価も「S」「A」「B」の三段階評価に基づき昇給し、成果に対する評価(絶対評価)となっているため公平感が強いのが特徴です。

参照:サイボウズ株式会社 ワークスタイル

 

【事例3】株式会社高島屋

高島屋のモットーは「多様な人材が生きる会社となること」だということですが、1991年に導入された短時間正社員制度はこの理念に沿ったものでした。この制度の特徴は育児・介護にとどまらず55歳以降のセカンドライフの準備に利用することも可能である点と、勤務時間に比例した減額以上のマイナス生じないという点にあると思われます。昇進も可能ですから、時短勤務で減額になった給与を昇進によってある程度埋め合わせることが可能なのです。こういった背景が「短時間勤務利用者常時600人」に表れていると言えます。

参照:株式会社高島屋 両立支援制度の内容

 

在宅勤務

IT革命以前はほぼ不可能であった「在宅勤務」ですが、テクノロジーの進歩により、リモートワークが可能な環境が整ってきました。このような背景のもとリモートワークを導入する企業は増加傾向にあります。

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【事例1】リクルートホールディングス

斬新なサービスで知られるリクルートが、日数制限なしのリモートワークを従業員全員対象に導入したのは2016年のことです。その最大の特徴は、制度の柔軟さにあると思われます。まず、リモートワークに必要なモバイルPCや携帯電話はセキュリティ対策が施された状態で、会社から支給されます。次に自宅での勤務のみならず、カフェやコワーキングスペースでの仕事も可能である点は画期的です。成果主義の人事評価であるがゆえの自由度であるわけですが、クリエイティビティが要求される業務においてはデスクから離れた方が、よい成果を生むこともあるという側面もあるのです。

 

【事例2】株式会社ガイアックス

ソーシャルメディアとシェアリングエコノミーを主に手掛けるガイアックスですが、売上を飛躍的に伸ばすには労働環境の改善が不可欠だという結論に達したことが改革断行のきっかけとなりました。その改善策として、リモートワークの活用にはこだわっています。その表れが「リモートワーク費」です。これは、社員がカフェやコワーキングスペースで仕事をこなす際の費用で、1人当たり月2万円が支給されるという画期的なものです。

これに加えて、クラウドソーシングの活用も積極的に行い、業務の効率化をはかった結果、導入から1年半でソーシャルメディアマーケティング事業部の売り上げが5倍、そして離職率は0%に改善しました。

参照:株式会社ガイアックス リモートワーク

 

【事例3】スナップマート株式会社

スマートフォンで写真を売買できるサービスを展開する「スナップマート」ではちょっと変わったリモートワーク制度を導入しています。それは「水曜社員一斉在宅リモートDAY」と呼ばれる制度で、水曜日は社員全員が一斉に在宅やカフェなどで勤務する決まりになっているのです。この制度の導入後の評判は「出社日が週1日減ることで通勤のストレスが減る」「仕事に集中できる」など高評価を得ています。

一方で、「問題解決に時間がかかる」「皆の仕事の進捗が確認できない」等の問題点も当初はありましたが、「始業・終業時にビデオ通話ミーティングで確認」「昼に進捗をチャットツールにて報告」などの改善策で解消されました。

 

フレックスタイム

フレックスタイム制度は30年ほど前に導入された制度です。その形態は、通常は必ず出社し働かなければならない「コアタイム」と働くか否かの判断が社員個人しだいの「フレキシブルタイム」から成っています。

一方、コアタイムのないフレックスタイム制をスーパーフレックスタイム制といいます。情報の共有を如何にして図るかという点が克服されれば、有効な方法であると言えます。総労働時間は変わりませんから人事評価において問題が生じにくいというメリットがあるものの、互いの連携が取りにくいなど、社内コミュニケーションに関する問題点は生じる可能性があるのです。

 

【事例1】アサヒビール株式会社

アサヒビールでは、「全社員が安全で健康に働ける環境をつくること」を目標としています。その取り組みの1つがフレックスタイムの導入ですが、特筆すべきはアサヒビールのフレックスタイムが「スーパーフレックス」であることです。コアタイムがなく、完全に社社員が労働時間を決めて働くと言う形態のためワークライフバランスが取りやすい環境であると言えます。

参照:アサヒビールホールディングス ワーク・ライフ・バランス

 

【事例2】WOWWOW

衛星放送事業大手のWOWWOWが導入したフレックスタイムはコアタイムのない「スーパーフレックス」です。月間に定められた労働時間は1日7時間15分×就業日数で、1日の最低労働時間は30分です。月間に定められた労働時間は、20時間までなら翌月に持ち越すことができるという柔軟な措置も講じられているのは安心です。これに反しない限りは働く時間を自由に設定してよいというのですから、自分のライフプランに沿った働き方が可能であると言ってよいでしょう。

参照:株式会社WOWWOW 福利厚生について

 

【事例3】三井物産ロジスティクスパートナーズ

この会社では11時~15時をコアタイムとするフレックスタイムを導入しています。社長の川島孝之氏は何を隠そう、自らがイクメン、そしてイクボスであったという経験を持っています。その時の体験がフレックスタイム導入のきっかけになったのです。フレックスタイムの導入後、社内会議、社内資料、社内メールなどの三大時間泥棒を排除することで業務の効率化を図り、残業時間を減らしつつも業績アップを達成することに成功したのです。

参照:三井物産ロジスティックス・パートナーズ株式会社

 

長時間労働見直し

かつては日本企業の代名詞とすら思われていた「長時間労働」ですが、労働時間と業績は比例しないことは、もはや自明であると思われます。

しかし、「長時間労働見直し」は残業時間の削減のみを達成させようとする方法で解決するには無理があります。ポイントは「業務の効率化」と「残業削減による収入減」をどうするのか尽きるでしょう。企業側がどのような制度を構築するかという点と、現場ではどのようなツールを用いて、どのようなオペレーションを行うかまで落とし込まないと成功はおぼつかないことが注意点です。

成功した企業の事例を以下に見ていきます。

 

【事例1】ニッセイ情報テクノロジー株式会社

残業の減った企業ランキングで上位にランクインした同社には2つのルールがあります。

1つは「少なくとも週1回は18時に退社する」、もう1つは「月に最低1回は有給休暇を取得する」というものです。これによって、全社的に残業をしない日を作るという意識を芽生えさせることに成功しました。

 

【事例2】株式会社クラシコム

株式会社クラシコムでは18時退社を創業以来の目標として設定し、業務の効率化を合わせて進めることで、「定時退社」が当たり前という社風を作り出しています。

参照:クラシコムスタッフが実践する工夫

 

【事例3】SCSK株式会社

SCSK株式会社は、システム開発・ITインフラ構築を手掛ける企業です。残業時間を削減すると収入減につながることを危惧して改革が進まない可能性があることを見越して、残業代として計上していた経費を社員へ還元する仕組みを作り上げました。具体的には、通年で前年よりも残業を20%以上削減し、有給休暇20日の完全取得を達成した社員には報奨金を与えるというものです。この結果、月の平均残業時間を35時間から18時間に削減し、年の平均有給休暇取得日数を13日から19日に増加させることに成功しました。

 

育児支援

育児を行う男性を「イクメン」と呼ぶ時代ですから、女性の多い企業でなくても育児支援は重要であると言えます。それは有能な人材が、出産や育児が理由で転職・離職を余儀なくされるというのは企業にとって大きな損失になり得るからです。育児支援は育児をスムーズに進めるための「在宅勤務制度」や「短時間勤務制度」などの勤務形態を多様化させるものや、事業所内に保育所を設ける等の設備投資を行うものなどがあります。

以下に成功した事例について見ていきましょう。

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【事例1】株式会社資生堂

女性社員が非常に多いことで知られる資生堂は、これまでも女性が働きやすい環境づくりには非常に力を入れてきました。しかし、結婚、出産、育児で離職する女性社員の数をされに減らすため、さらなる改革に取り組んだのです。その取り組みとして、まず事業所内保育所の「カンガルーム汐留」を設置しました。次に、合弁会社KODOMOLOGY株式会社を設立し、他企業の事業所内保育所の運営を請け負う業務を開始したのです。この取り組みによって、職場の近くに子供がいるという安心感や、送り迎えの労がないということで、女性社員が子育てしながら復職することを可能にしました。

参照:KODOMOLOGY株式会社

 

【事例2】株式会社ふくや

株式会社ふくやは「味の明太子」の製造販売で知られる企業ですが、育児支援を積極的に行っていることでも知られています。具体的な取り組みは以下の3点です。

  • 育児休業から復帰後の勤務形態を選べる制度を導入
  • 育児休業中も社内報や社内の近況を記した手紙を送付し、情報の共有を図る
  • 学校行事に参加する際の勤務調整やPTA役員を引き受けた際には手当を支給する制度を導入

この制度の導入によって子育てしながらの勤務に不安を覚えることが少なくなり、女性社員の育児休暇取得率や出産後の復帰率が上昇しました。そして、それに伴い出産後は復帰するのが当たり前という意識が高まったそうです。

 

【事例3】住友化学株式会社

住友化学株式会社では、東京本社をはじめとした全国各地に自社運営の保育所を6 ヶ所も設置しています。

「子供の体調が良くないときには、すぐに連絡を受け子供の様子を見ることができるので、安心して仕事に打ち込むことができます」という保育所利用者の声がその有効性を物語っているといえます。

また2007年から、以下のような多様な休暇制度を導入していることでも知られています。

  • 男性社員であっても出産の前後に有給休暇を取得できる産休および出産サポート休暇制度
  • 全従業員が、子供が3歳になるまで28日間の育児休暇(有給)を取得できる育児休業制度
  • 病気の子供を介護するときに取得できる介護休暇制度

 

この制度の導入後、329人の女性社員が産休を取得し、そのうちの90%が復帰しました。 男性の産休取得率も2011年には18人であったのが2015年には101人まで増えています。

 

まとめ

働き方改革で着実に成果をあげている企業の取り組みについて様々な角度からあげてみました。働き方改革で大事なのは、生産性を上げつつ労働時間を減らすということなのですが、これを行うにあたって企業側と社員とのコミュニケーションが不可欠であることが今回の事例から浮き彫りになってきました。生産性を上げるには労働効率を上げることが必要になってきますが、これには無駄な会議を筆頭に無駄な社内資料など、既に形骸化して生産性向上に貢献しないものをどんどん排除していく必要があります。リモートワークを上手に使うことで、社内電話や会話によって集中力を削がれることなく業務に集中できるというのもポイントとなっています。

さらに、成果主義の企業は働き改革を行いやすいのではないでしょうか。多様な勤務形態を採用するためには人事評価を明快に、しかも公平に行うことができる体制が整っていなければなりません。成果主義の企業はこの体制を整えやすいと言えるでしょう。

もう一点重要なことは、社員に優しい企業は働き方改革が行いやすいということです。社員の成長を辛抱強く待ち、社員の成果を喜び合える温かさが企業に対する信頼を高め、モチベーションを上げるのだと思います。

「成果主義」と「社員への優しさ」をキーワードに働き方改革を考えることで、新たなアイディアも生まれてくるのではないでしょうか。

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