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企業の生産性に繋がる社員のモチベーションアップ法

健康経営ノウハウブログ編集部
2018/10/26 9:00:00

社員のモチベーションを高く保つことによる効能には様々なものがあります。いわゆる従業員満足度を高めると、モチベーションを高めることに繋がるのか。マズローの欲求5段階説や、内発的動機づけ、外発的動機づけなどの概念とをまじえながら解説していきます。社内にモチベーションを高める施策が備わっているかチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

やりがいや報酬がモチベーションを左右する

モチベーションとはなんでしょうか。一般的にこれは「動機づけ」と訳されることが多い概念で、仕事や課題などの行動に人を向かわせる力です。

さらにこの動機づけは外発的動機づけと内発的動機づけに分類されることもあります。外発的動機づけとは、例えば金銭的な報酬や他者からの承認、あるいはそれをしなかった場合の叱責や懲罰などを指します。内発的動機づけは、仕事そのものの楽しさや達成感などがこれにあたります。

外部から加えられる力であるか内部から生じる力であるかという違いがありますが、これらはいずれも人を行動に向かわせる力であって、合わせて動機づけ、モチベーションと呼ばれます。

 

心理学者マズローの欲求5段階説

まず、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱した「欲求の5段階説」を解説します。これによると、人間の欲求は次のような5段階に分類されます。

  1. 生理的欲求
  2. 安全の欲求
  3. 帰属の欲求
  4. 承認の欲求
  5. 自己実現の欲求

 

この説によると、人間は低次の欲求が満たされると、より高次の欲求の充足を求めるようになるということです。それぞれの欲求の内容について詳しく見ていきたいと思います。

 

生理的欲求

一番下の生理的欲求は生命の維持に関わる欲求です。ここには食事や睡眠などに対する欲求が含まれ、現代日本で暮らしていてこの欲求がまったく満たされないということは想定しづらいでしょう。

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安全の欲求

次の安全欲求は、身の安全や身分の安全を求める欲求です。もし勤めている会社に対して、その経営に大きなダメージを与えてしまうようなミスをしてしまったとすれば、解雇という文字が頭の中にチラつくかもしれません。そのような状況なら、この安全欲求が満たされていないことになるかもしれません。

 

帰属の欲求

次の段階の欲求は帰属欲求です。自分はどこかの集団に所属している、自分には仲間がいる、自分は一人ではない、ということを確認したいという欲求です。

 

承認の欲求

承認欲求は「尊厳の欲求」と言い換えることもできます。承認欲求には2種類があって、自分には価値があるということを自分自身で信じることができるかどうかという自尊心の欲求です。2つめは他者からの評価です。評価されること、褒められることなどによってこの欲求は満たされます。承認欲求が満たされると、自分には価値がある、自分は誰かに必要とされているという自尊心をもつことができるようになります。

 

自己実現の欲求

これは、自分はこうあるべきだ、という理想に自分を近づけたいという欲求です。一言で言うなら、より一層自分らしくありたいという欲求です。

なお、この段階の欲求はさらに2段階に分かれます。自己実現を越えた、文字通りの自己超越という段階で、これは理想や目的の達成だけを追求するという領域です。

 

例えば、国境なき医師団という団体があります。ここに所属する医師は優れた技量をもった医師です。平和な本国で安全に金銭的に恵まれた生活を送ることも容易にできます。しかし、彼らは危険な紛争地域などに出向き、道具も薬もない不自由な環境での医療活動に身を投じます。

この段階などが、マズローがいうところの自己超越の段階であると考えられます。

マズローの欲求5段階説においては、下位の4つの段階は欠乏欲求とされます。これは欲求が満たされていないと不満足が生じるという意味です。一方、最後の5段階目は成長欲求と位置づけられており、これが満たされることはないものの、これの追求自体が満足に繋がる欲求であるとされています。

 

承認欲求や自己実現がサービスを向上

あるホテルがあったとします。ある時、ホテルをチェックアウトした客が、大事な会議で発表するために使う資料を部屋に忘れてしまいました。客は慌ててホテルに電話をしました。電話を受けた従業員が部屋を確かめてみると、確かに机の上に客が言ったとおりの書類がおいてあります。従業員はすぐに新幹線に飛び乗って客を追いかけて、駅で資料を手渡しました。

こうした行動をとった従業員を、ホテルは賞賛し、他の従業員にこんなすばらしいサービスを提供した従業員がいると広くアナウンスしました。

このエピソードの登場人物たちは、それぞれ何を得たでしょうか。

 

客はまず、大事な書類を失わずに済んで、おそらくは会議を無事に終えられたでしょう。新幹線の費用を使ってまで彼のミスをカバーしてくれたホテルに感謝したはずです。

ホテルは、そんな客の感謝と感動を得られたでしょう。それに要した費用は新幹線の往復のチケット代と移動中のスタッフの人件費程度のものです。社会的影響力をもつ客がその知人たちに口コミでホテルの評判を伝えてくれたなら、同じだけの効果を得られるために宣伝広告費を費やすのと比べて、ずいぶん割のいい投資だったでしょう。

そしてスタッフは、客とホテル、同僚たちの賞賛を得ることができました。そして、自分が客のためにできたことを誇らしく思ったことでしょう。また同じようなことがあれば、スタッフは客のために自分ができる最大のことをしようと考えるに違いありません。

あまりにできすぎた非現実なエピソードだと思われますか?このエピソードは実話です。

 

ホテルの名前はリッツ・カールトンホテルといいます。このホテルの従業員は一人が一日2000ドルまでの裁量権をもっています。この裁量権は、従業員が「お客様にとって一番良い解決方法は何なのかと考えたときに、躊躇なく最善の方法が選べる環境を整える」ために制度として用意されています。

 

このように、承認欲求や自己実現への欲求がうまくサービス向上とリンクさせられる仕組みが整っていると、顧客サービスが承認欲求や自己実現への欲求の充足につながり、それがまた顧客サービスを向上させるという正のサイクルが成立します。

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内発的動機づけと外発的動機づけ

先ほど、他者からの叱責を避けたいという動機もまた外発的動機づけであると述べました。叱られたくないという動機もまた、動機づけの一つです。

ここで一つ思考実験をしてみましょう。

あなたは小学生だとします。学校は私立で、進学に力を入れています。最も優秀な一部の生徒は有名中学へ進学しますし、そうでない大部分の生徒は内部進学で系列の中学に進学します。一部の下位生徒は、残念ながら卒業すると外部の中学校に進学します。学校では時々テストが実施されます。テストの成績は保護者のスマートフォンに詳細に送られます。テストの結果が良ければあなたは保護者に褒めてもらえたりしますし、悪ければ叱られたり、場合によっては罰を受けることさえあるとします。あなたは叱られたくない、褒められたい一心で毎回のテストをがんばっていました。

ある日、先生が言いました。明日、テストをします。ただし、このテストは授業の参考にするためのものなので、結果が良くても悪くても、保護者には通知しません。また、テストの解答用紙に名前も書かないので、誰が何点を取ったのか、先生にも分かりません。

いかがでしょうか。テストの範囲も先生は教えてくれました。あなたならテスト勉強をしますか? たいていの方が、この状況ではテスト勉強をしないと思います。

なぜでしょうか?

 

それは、あなたがテスト勉強をするのは褒められたい、叱られたくないということが動機であったためです。保護者に成績が通知されない、自分が何点だったのかを先生も自分も知ることがないテストでは、褒められることも叱られることもないため、あなたにはテスト勉強をする動機がなかったのです。

 

しかし、もしかすると、違うという人がいるかもしれません。自分は勉強が楽しい。だから勉強をする。テストの点数が何点だったかなどは結果でしかない。その結果、保護者に褒められることもあれば叱られることもあったかもしれないが、それはあくまで後からついてくる結果であって、自分が勉強をすることとは直接の関係はない。

そういう風に言う人もいるかもしれません。

 

ここで先ほども触れた外発的動機づけ、内発的動機づけという言葉をもう一度持ち出します。褒められたい、叱られたくない、というのは外発的動機づけです。あなたを勉強に向かわせるのは外の力です。

一方、褒められても褒められなくてもそれは関係ない。勉強が楽しいから勉強をするのだという人を動かしているのは内発的動機づけです。

外発的動機づけに誘引された行動は、その外部の力がなくなると継続されません。テストの結果が保護者に通知されないなら、小学生は勉強をしなくなります。これは、保護者の「子どもには勉強してほしい」という願いに反する結果でしょう。外発的動機づけは導入が簡単であり、その効果も高いですが、外から力を加え続けなければ目標を達成できなくなるという性質をもっています。

 

一方、内発的動機づけは、心の内にエンジンを搭載させるのは難しいですが、ひとたびそれに成功すれば、外部からの力を必要とせず、望ましい行為を自動的に継続するという性質があります。その時の状況などによって、どちらの理論に基づいた動機づけを使用するかは選び分ける必要があります。 busines_180

自分でモチベーションをコントロールする

モチベーションは低いよりは高いほうがいい。それは分かりきったことですが、そうはいっても、どうしても仕事や課題に身が入らないということはあるでしょう。社会人たるもの、いつも好きなことだけをやっているわけにはいきませんし、気分や体調が優れないとか、なんとなくやる気が出ないということもあるでしょう。

しかし、そうした時も最大限のパフォーマンスを発揮できるように自分を奮い立たせる努力は必要です。

外発的動機づけの手法で考えるなら、例えば「がんばった自分にご褒美」というやり方があるでしょう。あるいは、成果を上げることを他の人にコミットしてしまえば、約束を破るわけにはいかなくなりますから、やらざるをえない状況に自分を追い込むことができます。

 

高めあえる組織環境

モチベーションの向上のために、同僚や仲間を巻き込んでいくというのはよい手法です。もちろん、悪い意味で巻き込むということではなく、良い意味での競争関係を作るという意味です。

例えば健康のためにジョギングを始めたとして、どうしても気分が乗らない日というのはあるでしょう。そんな時、毎日一緒に走ることを約束した仲間がいれば、仲間のためにも走ろうという気になります。

 

社員のモチベーションアップへのアプローチ

モチベーションと業績の向上に相関関係があるか。これは、モチベーションの測定機があるわけではなく、また業績がモチベーション以外の様々な要因によって変化する以上、検証が難しい問題です。

しかし、モチベーションの高さが社員の望ましい行動を誘引することはすでに見ていただいたとおりです。

 

では、企業はどのようにして社員をモチベートすればいいのでしょう?人をモチベートするのは、特に外発的動機づけに頼るなら簡単です。報酬や懲罰で誘引すれば、ある程度、人のモチベーションを操作することはできます。

こうした手法はKITA(Kick In The Ass=尻を蹴飛ばせ)と呼ばれており、様々な理由から決して推奨されているわけではありませんが、企業でも家庭でも社会のあらゆるところで日常的に使用されています。

しかし、すでに解説したように、そうした手法は一時的には有効であっても、外部からの力を与え続けなければ効力を失ってしまいます。可能であれば、企業は内発的動機づけを社員の心に据え付けることで、社員が目標に向けて自らをモチベートし続ける環境を作るべきです。

 

以下、社員のモチベーションアップに有効である具体的施策をいくつかピックアップしてご紹介します。これらのうちいくつかは外発的動機づけの機能しかもちません。しかし、いくつかの施策は、その意味合いに注意しながら慎重に使用すれば、内発的動機づけとして社員の心にエンジンを設置できる施策に昇華させることが可能です。

 

社員へ向けての情報発信

経営トップから社員へ向けての情報発信はモチベーションを高めるために必要です。会社のビジョンやミッション、経営課題などの情報を組織として共有することは、会社と自分のつながりを実感することにつながります。

マズローの理論にいうところの帰属欲求に該当するものですが、これは自分たちが取り組んでいる仕事がどういう意味をもつのかということを深く理解するプロセスにもなります。社会にとって価値のある仕事なのだと心の底から社員が信じることができれば、その仕事は社員にとって自己実現の欲求を満足させるものにもなるでしょう。

逆に、経営者が自分たちと同じ方向を向いていると実感できなければ、会社に起こる出来事を自分事として捉えることはできず、モチベーションを高く保ってその力を十分に発揮することはできません。

 

社内のコミュニケーションの活性化

社内のコミュニケーションを活性化させることで、マズローの理論でいうところの帰属欲求を充足させることができます。先に述べた、高めあえる組織環境を作る上でも社内コミュニケーションの活性化は有用な施策です。

また、上司と部下などの公的なネットワークではない、自然発生的なネットワークが成立することで、組織の中に点在する多様な暗黙知が相互に作用しあって新たな知識の創発や、イノベーションの発生が起こることがあります。

 

人材の育成とマネジメント

現場の従業員にとって、経営トップはなかなか顔が見えない存在です。彼らにとっては、普段直接顔を合わせて言葉を交わすマネージャーがトップの代理人です。現場の従業員たちのモチベーションを高く保つには、彼らのマネジメントを受け持つ管理職に適切なトレーニングを行うことが欠かせません。会社のビジョンやミッションをトップの代理人として適切に、誠実に従業員たちに話すミドルマネジメントがいないと、現場の従業員たちは彼らの仕事がなんのためのものなのか、重要なものなのか、それともそうでないのかが判断できません。組織の隅々までトップの意志を行き渡らせるためには、管理職層の育成は不可欠です。

その中身としては、管理職向けの研修や資格試験の補助、MBA取得の費用を会社が負担するなどがあげられるでしょう。こうした機会を管理職やその候補に提供することは、彼らに対する会社の期待を表明することになります。これは承認欲求を満たすものでしょうし、彼らが自己実現欲求を満たすことを後押しすることでもあります。 startup-594091_1280-1

社員のチャレンジをバックアップ

新しいことへの挑戦には失敗のリスクがつきまといます。逆にいうなら、失敗のリスクがないものはチャレンジとは呼ばれず、業績や組織などにドラスティックな変化をもたらすことはないでしょう。 ここでいうチャレンジとは、それが成功すれば目覚ましい成果を上げるものをいうはずで、だからこそ会社はそれを奨励する必要があります。

失敗すればクビ、あるいは懲戒の対象になると社員が考えている状況は、マズローの理論を適用すれば安全の欲求が満たされていない状況です。この状況で、それでも挑戦に踏み切るのは、よほど自己実現の欲求に突き動かされている社員くらいのものでしょう。

安全の欲求は欠乏欲求です。ここが満たされていない時、社員は大きな不満をもちます。安全に対する社員の欲求を汲み取って、リスクに挑んだ社員を会社は賞賛するのだということを伝えなければなりません。

 

昇給などに反映される人事評価

昇給は金銭的な報酬であると同時に、その人にそれだけの価値があるということを示すという意味で承認欲求の充実という面ももちます。あるいは、その職務遂行能力の向上への裏付けと捉えてもらうことができれば、自己実現欲求の充足にまで意味合いを高めることができるかもしれません。

金銭的報酬は外発的動機づけとして作用しやすく、これは場合によっては望ましくない影響を本人や周囲に及ぼすことがあります。

 

表彰など承認欲求を満たす制度を

先に例として上げたリッツ・カールトンホテルの取り組みが先行事例になるでしょう。

望ましい行為として規定されているわけではないが、良い結果をもたらした行為を表彰することは、社員の承認欲求を満たすためにも有効ですが、そうした取り組みを行うことを会社が推奨しているというメッセージにもなります。表彰を受けた社員はもちろん、それを見聞きした社員をそうした望ましい行動に向かわせる効果をもつでしょう。

 

ライフスタイルや価値観に合わせた勤務制度

かつてほど長時間勤務や休日出勤が問題になることは少なくなりましたが、社員のワークライフバランスの充足は重要な経営課題です。生理的欲求が充足されない職場環境は論外としても、従業員のプライベートを悪化させるような長時間勤務は安全の欲求に対する欠乏になります。これらの欠乏欲求は、これが満たされたとしても満足に繋がることは少ないとされています。生命が脅かされない、安全が保証されるということは、少なくとも現代日本においては当たり前のことなので、これらは仕事への満足、モチベーションの向上にはつながりにくくなっています。

同じようなことをアメリカの心理学者であるハーズバーグも述べていて、その理論は「動機づけ・衛生理論」として知られています。

 

また、ハーズバーグはその著書『仕事と人間性』の中で次のようなことを述べています。

“職務に「動機づけ要因」がかけているときには、現実的・想像的不良職務衛生に対する従業員の易感性が増大し、その結果として、従業員に与える衛生の量と質を絶えず改善しなければならなくなる。”

つまり、仕事自体がモチベートされるようなものでなければ、職場の不適切な面が目につきやすくなるということです。逆に言うなら、仕事自体が強力にモチベートする特性を備えているなら少々の衛生要因の欠如は見逃される可能性があるということでもあります。

マズローの自己超越の箇所でお話した国境なき医師団の話などはここに該当するでしょう。

 

ここまでの人を強力にモチベートする仕事はそうそうあるものではないでしょうが、仕事自体のおもしろさや意義深さを社員が実感できるようにすることは重要です。それとともに、不満足の要因となる要素は最低限のラインを保つようにする必要があります。

 

まとめ

人をある行為に向かわせる力をモチベーションといい、これは一般的によく見られる外発的動機づけと、これと対になる概念である内発的動機づけに分けることができるとお話しました。

また、マズローの欲求5段階説は、様々なトラブルや課題、またはそれらを解決する施策などがもつ意味を解釈する際に役立ちます。人事労務担当者の方はぜひ、この考え方について研究してみることをおすすめします。社員の表彰制度などは、うまく利用すれば表彰された社員にも、またそれを見聞きした社員にも長く影響を及ぼして、望ましい行動を長く持続させることが可能です。短くても強い効果をもつ施策と、使い方が難しいが長く効果をもつ施策、両方を適切に使い分けることで社員のモチベーションの向上が計れますので、今回の記事を参考にぜひ社内で検討してみてください。

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