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中小企業・個人事業主のための雇用促進税制、適用条件は?

健康経営ノウハウブログ編集部
2018/10/16 15:30:00

事業を行っていると従業員を増やす必要が出てくることもあります。どうしても人手が必要なものの、その一方で法人税について頭を悩ませなければいけない事業者もいるでしょう。そんな事業者をサポートする制度として雇用促進税制と呼ばれる優遇措置があることをご存知でしょうか。個人事業主や中小企業の雇用促進を後押しするために用意されたこの制度について、その内容から申請方法までを解説していきます。

 

雇用促進税制について

雇用促進税制とは、指定された条件下で雇用者を増やすことにより、税額の控除を受けることができる制度になります。この制度を利用することで、雇用者を1人雇い入れるごとに税額控除を40万円受けることができます。

対象となるのは中小企業や個人事業主で、地域雇用開発促進法で定められた「同意雇用開発促進区域」に所在している必要があります。自分の事業所が該当する地域に所在しているかは、厚生労働省のホームページで確認することができます。

ここでいう雇用者とは、フルタイムで無期雇用される人間で、雇用保険での一般被保険者にあたる人物のことをいいます。法人の役員や使用人兼務役員を務めている人物は当てはまらないことに注意しましょう。

 

雇用促進税制が適用される条件

雇用促進税制を受けるためには必要となる条件がいくつかあります。少し細かくその諸条件について見ていきましょう。税制が適用されるには、どのような企業であるか、また定められた要件を満たしているかが問われます。

 

対象企業

雇用促進税制を受けるには、青色申告で確定申告を行っている事業所である必要があります。さらに法人と個人事業主で、それぞれ満たさなければいけない条件があります。共通している条件は従業員数に関することで、法人の場合は資本金や売上なども条件に加わってくるため、やや厳しいものとなっています。 business_113

法人に対する条件

  1. 資本金もしくは出資金が1億円以下の額である必要があります。ただし1億円以下であっても、他の大規模法人に1/2以上の発行済株式を所有されている場合は条件から外れてしまいます。
  2. 資本や出資がなく、従業員の規模が1,000人を超えない法人である必要があります。ほぼ中小企業向けの条件だといえるでしょう。
  3. 上記2つの条件に加え平成31年4月1日からは、その事業年度から3事業年度までさかのぼり、平均所得金額が年間15億円を超えてしまった事業年度がある場合は、その年度については除外されてしまいます。

 

個人事業主に対する条件

個人事業主に対しては法人よりも条件が緩く、従業員の数が1,000人を超えてさえいなければ税制適用条件を満たすことができます。その他の条件は要求されないため、個人事業主にとっては利用しやすい制度だといえるでしょう。

 

適用のための要件

事業所が税制適用条件を満たしていたとしても、さらに満たさなければならない要件も存在します。その要件とは「事業主都合による離職者の存在」「雇用増加割合」「給与等支給額の内容」「風俗営業等であるか否か」の4つです。主に雇用の実情といえるものとなりますので、健全な経営が行われていればさほど心配するものではないといえるでしょう。

 

事業主都合による離職者の存在

税制を適用する年度に加え、前事業年度までさかのぼり、事業主都合で離職者を出していないことが必要です。雇用保険の一般被保険者である雇用者や高齢被保険者を事業主都合で解雇していた事実があると、雇用促進税制を受けられなくなってしまいます。人員整理や退職勧奨を考えている場合は注意が必要だといえます。

ここで出てくる高齢被保険者とは、65歳を超える年齢で新規雇用された人物と、それ以前から働いており65歳を超えても雇用が継続している人物を指します。どちらの人物も、日雇労働被保険者、短期雇用特例被保険者でないことが条件です。

雇用増加割合

雇用促進税制を受けようとしている事業年度内で、2人以上を雇用し、前年比10%の雇用増加率を認められなければなりません。雇用増加率は、65歳以上の高年齢被保険者を差し引いた雇用者数の変化になるので、計算の際は注意しましょう。

給与等支給額の内容

税制を適用したい年度内で支払った給与額が、比較給与等支給額を超えることも要求されます。比較給与等支給額は、前事業年度に支払った給与額の3割に雇用増加割合を掛けて出た数字を、前事業年度に支払った給与額に足した合計値になります。

比較給与等支給額を計算するときに考慮する給与額は雇用者に対するもので、役員やその親族に対する報酬は含みません。

風俗営業等であるか否か

事業が風俗営業等でないことも求められます。代表的な風俗営業にはパチンコ店経営やキャバクラ経営がありますが、詳細については「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)」の条文に定められているので、自分の事業が該当していないか調べてみるといいでしょう。

 

制度の魅力は税控除

雇用促進税制の魅力はやはり税控除を受けられる点にあります。雇用促進税制を受けることで、雇用者が1人増えるごとに40万円が控除されるメリットは非常に大きいといえるのではないでしょうか。ただし控除額には上限も定められていることも知っておきましょう。法人につ度の魅力は税控除いては法人税額の20%まで、個人事業主については事業所得税額の20%が条件となっています。 business_111

控除割合が拡充されることも

地方拠点強化税制という制度があり、これに該当する事業者は控除割合が拡充されます。雇用促進税制をそのまま受ければ雇用者1人につき40万円の控除額が、地方拠点強化税制の条件に当てはまることで最大90万円まで控除されることは非常に大きいメリットではないでしょうか。

地方拠点強化税制の対象となる条件とは、本社所在地が地方である事業者が本社を拡充する場合です。この制度は地方の事業者に向けたもので、首都圏、中部圏、近畿圏中心部などの大都市が所在地となっている事業者は対象外となっています。大都市に所在地がある事業者は地方へ本社を移転することでも制度対象となれます。

前者は雇用一人あたり60万円、後者は雇用一人あたり90万円が控除額となります。

首都圏は東京・千葉・埼玉・神奈川・茨城、中部圏は愛知、近畿圏中心部は大阪・京都・兵庫を指します。ただし圏内の都府県であっても、地方拠点強化税制の対象となる地域があるので、事業所所在地の自治体まで問い合わせてみるとよいでしょう。

 

適用までの流れ

雇用促進税制について理解できたところで申請方法について学びましょう。適用までの流れは大きく分けて「雇用促進計画の提出」「雇用促進計画達成状況の申請」「税務署への申告」と3つの段階があります。

1.雇用促進計画を提出

雇用促進税制を受けるには、まず第1段階の準備としてハローワークへ雇用促進計画を提出することから始めます。雇用促進計画の提出には期限があり、適用を受けたい年度が開始されてから2ヶ月以内に計画を出さなければなりません。申請を考えている事業者は早めに準備を始めましょう。

 

2.雇用促進計画達成状況の申請

適用を受けたい年度が終了したら、雇用促進計画を提出したときと同様に、雇用促進計画達成状況をハローワークまで申請しに行きます。ここで注意しなければならないのは、確定申告に間に合わさなければならないということです。雇用促進計画達成状況は、2週間前後の期間を確認に要します。ハローワークが混み合う時期はとくに時間がかかり、4月から5月に申請すると1ヶ月近く待たされてしまいます。雇用促進計画達成状況の申請は適用年度が終了して2ヶ月以内に行う必要があるので、確定申告との兼ね合いを見て提出時期をきめるようにしましょう。(これは法人のケースで、個人事業主の申請期限は翌年の3月15日までとなります。)

 

3.税務署に申告

最後に税務署まで申告をしに行けば雇用促進税制の手続きは終了です。ハローワークから雇用促進計画の写しをもらっているはずなので、確定申告書と一緒に提出します。

 

まとめ

雇用促進税制は適用されるための条件さえ満たすことができれば、有利に雇用者を増やすことができる制度です。また地方に本社をおいて事業を営んでいれば、地方拠点強化税制を併用することにより控除額をさらに増やせることもわかりました。これらの制度を上手に活用することで事業規模の拡大も進めやすくなるのではないでしょうか。中小企業や個人事業主にとってはぜひ覚えていきたい制度の一つだといえるでしょう。

 

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