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ホテル業の人材不足の課題とは?原因と対策法

健康経営ノウハウブログ編集部
2018/10/12 15:00:00

飲食店などの人手不足が原因により、お店を閉店したり営業時間を短縮したりしなければならなくなった企業が相次いでいるといったことが社会問題になりました。働き手の人口が減少している現在、人手不足は企業経営にも影響します。ホテル業界でも人手不足が叫ばれています。

ホテル業の人手不足の原因は何か、またこれを解消するための対策はどのようなものなのでしょうか。経営者が直面する問題と対策について解説していきます。

 

ホテル業の深刻な課題

ホテル業は深刻な人材不足に陥っています。これは、待遇による差や、日本企業が従業員に求めていた滅私奉公の精神や慣行などがホテル業に残っていることが原因のひとつとされています。

 

待遇による差や大人の付き合い

各ホテルによって勤務時間や待遇面にかなり開きがあるといいます。これは、ホテルによって規模や求められる職種が異なるからです。そのため、激務のホテルの場合、退職者が増えてしまい、残った従業員で業務をこなしていかなければならなくなります。もともと激務だったものが、従業員が減ることによってよけいに激務になってしまいます。長期間激務が続く場合は、体調を崩してしまう従業員もいます。

また、ホテルに勤務している人は、大学を卒業している人から専門学校を卒業している人などさまざまです。そのため、雇用形態も、正社員から契約社員まで幅広くなっています。 正社員は幹部候補として研修がなされ、管理職として出世していく反面、契約社員は出世できず、いつまでも激務から抜け出せないというような、待遇に差があることもあります。

特に、専門学校でホテル業務について学び、きちんと技能を習得してきたとしても、大学を卒業していないというだけで契約社員にしか採用してもらえないというホテルもあるようです。同じように働き、同じ時間を働くいわゆる「同一労働」にもかかわらず、「同一労働同一賃金」にならないというホテル業界の待遇の差が、働く人の不満を高め、苦しむ人が多くなっているという現状があります。

また、職場での上下関係や付き合いなどが多く残っている業界ともいわれています。ただでさえ激務にもかかわらず、忘年会などのイベント飲み会からプライベートの飲み会までさまざまあり、先輩から声をかけられたら断れないという空気があると、身体を休めることもままならなくなるかもしれません。

このように、基本的に激務なことが多いホテル業の職種にもかかわらず、職場での飲み会について強制参加などの日本企業的な部分が残っていることにより、労働環境の過酷さに拍車がかかっている現状があるとされているのです。

 

厳しい業務時間

ホテル業は、宿泊者に対して宿泊サービスを提供するものですが、宿泊者の利用時間や利用方法はさまざまです。これに対応できなければ、ホテル経営をすることができませんし、一律に対応していては、宿泊者がいなくなってしまう危険があります。

そのため、ホテル経営は基本的には24時間365日稼働する必要があり、従業員はこれに対応して働かなくてはならない状況になります。人手が足りていれば、多くの従業員でゆったり回すことが可能になるでしょうが、人手が足りていないため、結果的に従業員1人あたりの業務時間が長くなりがちです。特に、フロント業務は、1日中チェックインとチェックアウト、その他宿泊者の対応に追われることになります。シフトによっては夜勤もしなければなりません。

他方、ホテル業で最も過酷な労働時間とされているのが、レストラン部門です。レストランは、宿泊者に朝食のサービスを提供するだけでなく、通常のランチやディナーも営業しています。

また、レストランは、食事を提供する前の仕込みや片付け、掃除などの付帯業務も多くなる場所です。そのため、朝早くから夜遅くまで勤務する必要があり、仕込みや調理、接客や配膳など体力的にきつい業務も多くあります。そうしたことから、労働時間が長いというだけでなく、激務ということも加わり、最も過酷とされているのです。ホテル業に携わる人において、さまざまな役割があります。フロントやレストラン業務だけでなく、営業や管理業務です。営業などは基本的に他の業種と同じような勤務体系になっています。

一言でホテル業といっても、業務内容は多種多様なため、問題が表面に出てきにくいという問題もあります。人手不足の原因についてもみていきましょう。

 

ホテル業界が人手不足になる原因

ホテル業務は、従来から激務な職種とされてきました。しかし、人手不足が叫ばれてきたのは、近年になってからです。従前は、激務な環境でもそれなりに働くことのできる職場だったといえます。

しかし、ホテル業界は、現在人手不足に陥っています。人手不足になる大きな原因として、宿泊者の増加と、高い離職率の2つが挙げられます。

 

宿泊者数の増加

2020年の東京オリンピックに向けて、宿泊施設が必要になると見込み、多くのホテルが建設・オープンしています。それでも、ホテルは足りなくなるといわれています。このように、そもそもホテルの数が多いため、急激に大量の人材が必要になっていることが、人手不足の原因になっているといえます。

他方、日本は、近年インバウンド対策といって、日本に多くの外国人旅行者に来てもらうよう国が主導的に政策をするなどしてきました。JTB総合研究所の発表によりますと、2018年7月には約283万人の外国人が日本を訪れました。この訪日外国人の数は、年々増加してきており、2018年7月の数は前年同月比5%増しになっています。そのため、今後も訪日外国人の数は増えていくことが予測されています。観光庁の宿泊旅行統計調査をみますと、2018年7月の外国人の宿泊者数は878万人泊で、こちらも前年同月比17%の増加になっています。

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出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」調査結果 平成30年6月分 延べ宿泊者数

 

宿泊者数がこれだけ増えているということは、ホテル経営に求められる人材も多く必要になってきます。たとえば、宿泊者数が増えれば、その分朝食などレストラン業務の作業も多くなります。用意する食事の数を増やすには、仕込みの数も増やさなければならないでしょうし、調理の時間も多くかかることになります。

 

高い離職率

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出典:厚生労働省「平成29年雇用動向調査結果」図3 産業別入職率・離職率(平成29年)

他方、ホテル業は、高い離職率になっています。厚生労働省「平成29年雇用動向調査結果」によりますと、宿泊業、飲食サービス業は、入職率が33.5%と高くなっている反面、離職率が30%となっています。現在は、入職率も高くなっていますので、そこまで深刻な人手不足を感じる経営者は少ないかもしれません。

しかし、現在訪日外国人の数が増加している傾向からすれば、今よりもさらに多くの人手が必要になってくることは予想できます。また、2020年に開催される東京オリンピックには、さらに多くの外国人旅行者が訪れるため、宿泊施設が足りなくなるといわれているほどです。

現在よりもはるかに宿泊者の増加が見込まれ、それに対応しなければならないという課題があるということです。まだまだ数年先のことと思っていても、新しい人材を育てるには時間がかかります。人材育成が間に合わず、ビジネスチャンスを逃してはもったいないです。

 

また、離職率が高いと、コスト面が多くかかるという点を問題視しなければなりません。離職者が多くなり、その分新しい人を雇った場合、新人教育など一定の研修が必要になります。ホテルによって、設備ややり方などが異なるからです。研修などには数時間要しますので、それだけでもコストはかかります。

研修する時間分だけでも、既存の従業員が宿泊者に対するサービスなどの業務に回すことができれば、宿泊者の満足度も高めることができるでしょう。それだけ離職者のダメージは大きいと理解することが必要なのです。ベテランになれば、仕事への効率化も進み、1時間かかる業務も40分で終わらせることができるようになることもあるでしょう。

 

また、新人の頃は求められているサービスの80%しか提供できなくても、ベテランになれば120%のサービスができるようになるかもしれません。このように、人を育てるには時間がかかり、育った人を大切にすることは結果的にコスト削減に繋がること、より利益が生まれやすくなるということを理解し、離職率を下げる必要があります。

 

人材不足の対策法

さて、離職率が高いホテル業の人手不足の問題について、どのような対策があるのでしょうか。大きく分けて、ホテル業界の勤務制度を整えることと待遇面などの制度を整えることが挙げられます。詳細をみていきましょう。

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ホテル業界の勤務制度を整える

まず、人手不足を解消するには、勤務制度を整えることが必要だといえます。ホテル業界は、長年、旅館経営を家族で行うなど、家族経営のホテルも多く存在してきました。また、24時間勤務する必要がある場合が多かったことから、家族でない場合でも、住み込みで働く場合も多くありました。

現状のホテルでの勤務時間についてきちんと環境が整っていない原因のひとつに、家族経営の名残りがあることも挙げられます。家族経営の場合は、労働時間などの制約を無視してしまうことがあります。

しかし、慣行上、家族経営の目線で経営しているホテルも多く残っているのです。ホテル業界がいまだに高い離職率であるのは、家族経営のような風習が原因であることが挙げられます。

人手不足を解消するためには、まず勤務制度を整えることが必要です。勤務制度がきちんと整っていても、激務の場合がありますが、整えるだけでも、働きやすい環境により近づけることができます。

それでは、勤務制度を整えるとは、具体的にどのようにしたら良いのでしょうか。

 

まず、シフトをきちんと整えることが大切です。ホテル業と同じように、労働時間が長時間化する業務として工場勤務や、看護婦などの医療現場での勤務がありますが、これらの勤務の場合は、夜勤には1日まるまる休日にするなど対策を取っているところも多くなっています。

次に、連続した休日を設定することです。デパートやスーパーマーケットなどで接客する業務も、基本的に土日勤務であるところが多くあります。また、繁忙期である夏休みやお正月などの休みは取れないことが多くなっているようです。

 

しかし、小売業の場合は、夏休みなどをずらした時期に連続して休暇が取れるように設定されていたり、シフトを組むときに連続休暇が取れるように設定されていたりすることも多いようです。このように、業務がきちんと回すことができ、かつ、従業員に休みが取れるよう設定した勤務体系にしていくことで、離職を減らすことができ、結果的に人材不足の解消に繋がるといえます。

 

制度を整える

勤務制度の他に、ホテル業の人手不足を解消する方法としては、その他の制度を整えることが挙げられます。先ほど解説したとおり、ホテル業は、従来家族経営が多かったことから、会社としての制度がきちんと整っていない場合があります。

たとえば、待遇面の改善です。テレフォンオペレーターやスーパーマーケットの店員に以前は契約社員が多かったのですが、近年、希望する人は正社員になれるようにしていく制度を採用する企業が増えてきています。

また、大学卒業の人と専門学校卒業の人とで待遇が異なっていましたが、このような待遇をなくすことも、勤務する人の不満を解消することができるといえます。不満が解消すれば、離職率も減ってくるのではないでしょうか。

そして、福利厚生面もしっかり付与するような制度に整えることも重要です。各ホテルによって、待遇面に大きな差があった場合、現在の職場を退職し、他のホテルに転職しようという人も多くなっている傾向でしょう。そのため、きちんと待遇面でしっかりしているホテルは人材不足が深刻になっていないのではないでしょうか。

待遇面がしっかりしているホテルというだけでも他のホテルとの違いを示すことができます。



さて、ここでお気づきの方もいるでしょうが、いい人材を確保するためには、もちろんホテル業全体での人材確保が必要でしょうが、各ホテル間で待遇が異なっているため、宿泊者だけでなく、従業員についても、ホテル間で競争があると認識してみることをおすすめします。

待遇面を改善し、働きやすい職場環境を作り出すことによって、退職者を減らすことができ、人手の流出を防止することができます。他方、他のホテルでの待遇に苦しんでいる人が、自社のホテルで働いてもらえることになれば、自然と人手不足は解消されます。

また、多くの人が働くことを希望するようになれば、より良い人材が集まりやすくなります。ライフワークバランスを重視する若年層にも、働いてもらうことができるようになるかもしれません。

従業員の仕事に対する満足度を高めることができれば、自然と接客などのサービスもよくなっていきます。従業員のサービスがよくなることによって、宿泊を希望する人も多くなり、経営は安定していきます。経営が安定すれば、より多くの人材を雇うことができ、余裕のある勤務体系で働いてもらえるようになります。

このように、従業員に対する環境を整備することによって、人手不足を解消するというだけでなく、宿泊者も増えて経営が安定するという、一石二鳥のリターンを得ることが期待できるのです。

business_79ホテル業界の問題は正攻法で解決

ホテル業界の人手不足の問題を解消するためには、正攻法でいくことがベストな選択であるといえます。

もう少し具体的にみていきますと、離職率を下げること、就職希望者を増やすこと、復帰者を増やすことというホテル業で働く人の数を確保していくという正攻法でいくしかありません。

そのためには、勤務時間などの労務面、働くメリットという福利厚生面、働きがいという待遇面の3つの改善必要になります。

 

勤務時間などの労務面

勤務時間については、どうしても業務面から長くなりがちになってしまいますが、きちんと設定する必要があります。具体的にはシフトを設定し、きちんと管理していくことです。

たとえば、イレギュラーな事態によりやむを得ない残業が発生した場合は、残業代を支給したり、インターバル勤務をさせたりするようにします。インターバル勤務とは、たとえば勤務終了時間から、少なくとも12時間は次の勤務をさせないといった制度を指します。

長時間勤務が続くと、どうしても作業効率は落ちてしまいます。また、肉体面だけでなく精神面の健康を害することがあります。健康を害した従業員は、退職を考えるようになってしまいます。

 

また、現在の職場に不満を持つ従業員が多くなると、転職してしまう従業員が出る恐れがあります。他にも不満を持っている従業員がいる場合、転職した従業員の職場に関心がいくかもしれません。そうすると、連鎖的に転職されてしまうという事態が起こり得ます。

 

逆に、自社のホテルの良いうわさが出て、就職希望者が増えていけば、連鎖的な退職者を減らすことができ、人手不足の解消に繋げられるようになります。

シフトについては、24時間体制のホテル業務について、ひとりひとりの希望を聞いていては、管理が大変だといった理由で一律に取り決めた方がいいという考えもあるかもしれません。しかし、激務になりがちなホテル勤務においては、シフト面については、従業員の体調などを考慮してひとりひとり変則的な対応をすることで、退職による人材不足を防ぐのが大切です。

近年では、シフト管理サービスをインターネット上で提供している会社も多数あります。比較的導入コストがかからないサービスもありますので、そちらを利用するようにして、シフト管理の複雑さを回避することもできます。

 

福利厚生面

退職者を減らすという対策には、福利厚生面を充実させるというものもあります。この福利厚生面は、各ホテルによって異なり、最も自社の特色を出すことができる面です。アメリカなどでは人手不足対策にユニークな福利厚生を提供している企業もあります。

ホテルで勤務する上で、必要な福利厚生を提供することもできます。たとえば、他のホテルを研究するための旅行として連続して数日の休暇が取れる、宿泊補助を出す、日々の疲れを癒やすマッサージ費用を補助するなどがあります。

従来日本の企業で提供される福利厚生は、会社が持っている保養所を提供するなど個性のないものが多かったのですが、従来の福利厚生にこだわる必要はありません。近年、激務ながら多くの人材を集めているIT企業では、各企業それぞれユニークな福利厚生を提供するようになっています。

福利厚生は会社によって特色が出せる面です。人材流出防止や人材確保のために、ユニークな福利厚生を提供してみてはいかがでしょうか。

 

待遇面

従業員の退職を減らすためには、働きがいがある職場と認識してもらう必要があるでしょう。特に若い世代は、やりがいや働きがいを重視する傾向にあるといわれています。そのため、これらの対策が必要になるでしょう。

たとえば、従来は大学を卒業した人しか幹部になれなかったという点について、契約社員からでも正社員に変わることができる制度を設けることが挙げられます。他にも、正社員でも幹部候補に立候補できるようにするなど、努力や技能により、昇給昇格などのチャンスを与えるような制度を設けるのも良いでしょう。

また、新入社員でもシフトや飲み会などの日程を決める際に、きちんと意見を出せるようにする、職場環境を改善するための意見交換をWEB上などでできるようにするのも大切でしょう。働くことで自分を高める、きちんと考えて仕事をすることによって、効率を上げることができるなど、主体的に業務と関われるような制度を設けることも、待遇面の改善に繋がります。

 

他方、一度退職してしまった従業員について、再び希望すれば、就職することができる制度を設けることも人材確保に繋げることができます。退職してしまった人は、退職にあたり、何らかの事情があったのでしょうが、仕事自体が嫌で辞めた人だけではないでしょう。たとえば、結婚での転居や子育て、介護などの事情でやむを得ず退職する人もいます。

こうした元従業員について、希望すれば短時間労働などのパートタイム労働や、夜勤をしない勤務体系など、待遇面を改善することによって、戻ってきてもらうことも可能になります。

近年は、複雑なシフト管理についても、クラウドサービスなどを提供している企業も多く、しかも低コストで導入可能になっていますので、そうしたITサービスを利用することでも対策を取ることができます。

ITツールを利用して、効率化できる部分は、効率化し、人が必要な部分については、より多くの人材を確保し、ホテル業務を回していくことで、より効率的な運営を実現させることができるでしょう。

こうすることによって、人材不足の問題が解決することが期待できます。

 

まとめ

ホテル業を安定して経営していくためには、どれだけ多くの宿泊者に満足してもらい、リピーターや新規の宿泊者を増やしていくかが重要です。宿泊者が提供されたサービスに満足できたかによって、満足度は左右されるでしょう。サービスの提供は従業員によってなされます。提供するサービスの質を高めるには、従業員がいかにやりがいを持って働けるかが大切になります。

従業員がやりがいを持って働くには、職場環境の改善が必要です。職場環境は、勤務時間や待遇面などさまざまです。これらの環境を改善していけば、結果的に退職者という離職者を防止でき、人手不足の解消に繋がっていきます。人手不足解消の鍵は、まさに、従業員の職場環境の改善にあるのです。

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