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なぜ人手不足になるのか?原因と対策法を紹介。徹底解説と有効な対策案

健康経営ノウハウブログ編集部
2018/10/16 9:00:00

企業が成長するためには、優秀な人材を確保することが重要です。しかし、ここ数年の好景気の中、さまざまな企業で人材が不足しています。成長を考えるどころか、人手不足により存続することが困難な企業さえ多くなっています。そうならないためにも、なぜ人手不足になるのか、その原因を考え、対処していく必要があります。ここでは、人手不足の原因とその対処方法について、徹底解説していきます。

 

深刻な「人手不足」の原因

人手不足の原因は1つではありません。いくつかの原因があります。深刻な人手不足は、会社の成長にマイナスの影響を与えます。そのため、早めに人手不足を解消する必要があります。自社の人手不足を解消するためには、自社が人手不足に陥っている原因は何かを理解し、その対処方法を考えていく必要があります。ここでは、いろいろな観点から人手不足の原因を見ていきましょう。

 

有効求人倍率の傾向

実際に労働市場でどれぐらいの人手不足が生じているのか、有効求人倍率から見ていきましょう。

厚生労働省の発表によると、2018(平成30)年7月の有効求人倍率は1.63倍でした。ここ1年をみても、有効求人倍率はゆるやかに上昇しています。2009(平成21)年12月の有効求人倍率が0.46倍、バブル期のピークである1990(平成2)年7月の有効求人倍率が1.46倍だったことを考えると、かなり高い水準になっているといえます。ただし、バブル期と違い、現在は派遣社員の数も多くなっています。

 

では、正社員の有効求人倍率はどうなっているのでしょうか。2018(平成30)年7月の有効求人倍率のうち、正社員の有効求人倍率だけをとってみても、1.13倍と高いものでした。ちなみに、2009(平成21)年12月の正社員の有効求人倍率は0.28倍でした。

有効求人倍率は、簡単にいうと仕事を求めている人に対して、何件の求人があるかを表す数字です。2018(平成30)年7月の有効求人倍率は1.63倍ですので、仕事を求めている人よりも求人数の方が多いことが分かります。このことからも、企業が働き手を求めているものの、人手不足に陥っていることがわかります。 business_100出典:厚生労働省HP 一般職紹介状況について

 

完全失業率に着目

人手が不足しているかどうかの指標として、有効求人倍率とともに見ていく必要があるものが、完全失業率です。完全失業率とは、労働人口の中に「仕事をすることを希望しているが、働いていない人」がどれだけいるのかを示す割合のことです。完全失業率が高ければ高いほど、働きたいが仕事が見つからない人が多いことになります。

総務省の統計データによると、2018(平成30)年7月の完全失業率は2.5%でした。前月、前々月に比べると少し増えていますが、2015年が3.4%、2016年が3.1%、2017年が2.8%で、毎年改善されていることがわかります。また、過去を遡ると2009(平成21)年7月の完全失業率は5.5%と高く、現在はその半分程度の数値となっています。ちなみに、2.5%という数字は1993年(平成5年)のバブル期と同じ水準です。

このことからも「仕事をすることを希望しているが、働いていない人」の割合はとても少なく、人手不足になっていることが分かります。

 

雇用・労働力・企業数の変化

ここまでは、有効求人倍率や失業率など、求人についての指標から人手不足の現状を確認してきました。では、労働者をとりまく環境はどうなっているのでしょうか。

総務省の統計データによると、2017(平成29)年の雇用労働者数(役員を除く)は5,460万人で、毎年少しずつ多くなっています。2002(平成14)年の雇用労働者数(役員を除く)が5,000万人を下回って(4,940万人)いたことを考えると、雇用労働者数は大幅に増加しているといえるでしょう。

雇用労働者数について少し詳しく見てみると、雇用労働者数の増加は非正規雇用労働者の増加が影響しています。実は、2017(平成29)年の雇用労働者数(役員を除く)5,460万人のうち、非正規雇用の労働者は2,036万人となっています。これは雇用労働者数の37.3%に該当します。2002(平成14)年時点では、雇用労働者数4,940万人のうち非正規雇用労働者の数は、1,451万人で29.4%であったことを考えると、非正規雇用労働者の数は、ここ15年で約1.4倍となっています。

実際、2008(平成20)年から2014(平成26)年の間は、同程度の雇用労働者の数であったのに、非正規雇用労働者の数は増え、正規雇用者数の数は減り続けていました。このことから、雇用労働者数の増加が、労働者の賃金増加や雇用の安定につながっていないことが分かります。ただし2015(平成27)年以降は、非正規雇用労働者の増加数よりも、正規雇用者の増加数の方が大きくなっており、これまでとは雇用の変化の質が違ってきていることをうかがわせる結果になっています。

雇用者数は、年々増加してきていることがわかりました。では、雇用する企業はどのように変化しているのでしょうか。

 

総務省がまとめた『日本の統計2018』によると、2012(平成24)年の企業数が4,128,215社、2014(平成26)年の企業数は4,098,284社と、微減しているものの、ここ数年はほぼ同じ数の企業数でした。これに対して、全体の売上高は42,130億円も増加しています。

ここまでのデータを考察すると、企業の経済活動はますます好調になっており、雇用労働者の数は増加しているが、それでもまだ人手が足りていないことがわかります。

 

人手不足による収益悪化が原因の倒産

上述した通り、企業の経済活動はますます好調になっており、雇用労働者の数は増加しています。しかしそれでもまだ人手が足りていません。このことは、人手不足関連の倒産数を見ても実証できます。

人手不足関連倒産とは、名前の通り、経営不振などではなく人手不足が原因で倒産した企業のことです。人手不足関連倒産には、「後継者難」型、「求人難」型、「人件費高騰」型、「従業員退職」型の4つがあります。

 

「後継者難」型は、経営者の死亡や高齢により引退したが、後継者がおらず倒産するパターン。「求人難」型は人手不足により、製品の製造などができず事業の継続が困難で倒産するパターン。「人件費高騰」型は、人件費の高騰により収益が悪化して事業の継続が困難になり倒産するパターン。「従業員退職」型は他社への転職や独立など、その会社の中核を担っていた社員が退職することで、事業の継続が困難になり倒産するパターンです。

 

東京商工リサーチの調査によると、2018(平成30)年8月の人手不足関連倒産数は、2013年1月の調査開始以来で最多の45件にのぼるとのことです。前年同月は20件だったので、前年の2.25倍になっています。内訳は、「後継者難」型が26件、「求人難」型が13件、「人件費高騰」型が3件、「従業員退職」型が3件です。

人手不足関連倒産の中でも、後継者がいなかったり、人が集まらなかったりして倒産するケースが多いことがわかります。

 

人手不足の原因は団塊世代の引退ではない

団塊の世代とは、昭和22年~24年の間のいわゆる第1次ベビーブームに他の時期より多く生まれた人達を指します。多くの人が一斉に就職し、一斉に定年を迎えることから、雇用市場に与える影響が大きいといわれてきた世代です。彼らは60歳の定年なら2007年に、65歳の定年なら2012年に退職を迎えました。2007年になる前から、団塊の世代が引退すれば、人手不足になるといわれていました。

ところが、働くことを希望する従業員を、65歳まで継続雇用する制度の導入を義務付ける改正高年齢者雇用安定法の制定や、高齢化社会が進んで定年後も働こうという人が増える社会情勢などにより、団塊の世代の引退は、当初言われていたほど人手不足に影響を与えませんでした。

 

むしろ、少子化のほうが、人手不足に影響を与えています。総務省の統計データによると、日本の総人口は、7年連続で減少し続けています。2018(平成30)年の4月時点においては1億2,650万2000人で、前年同月に比べて約25万9000人も減少しています。人口の減少は、労働者数も減少しているということを意味します。

これを年齢別にみると、15~64歳の現役世代は7,560万9000人。前年同月に比べて55万5000人も減少しています。また、今後現役世代になっていく15歳未満人口は1,551万7000人。前年同月に比べて、18万2000人減少しています。これに対し、65歳以上の人口は、3,537万6千人。前年同月に比べると47万8000人も増えています。

 

このことから、現役世代やこれからの働き手となる世代の人口の減少は大きく、今後も人手不足が続くことが予想されます。 business_102出典:総務省統計局HP 人口推移

 

AI(人工知能)・機械の導入による作業の効率化

人手不足を解消する1つの手段として、AI(人工知能)・機械の導入による作業の効率化が挙げられます。AI(人工知能)・機械の導入は、例えば、製造業や工業などの製品の組み立てや物流業における荷物の仕分け、飲食業界における什器等の洗浄などの単純作業を効率化させてくれます。実際、AI(人工知能)・機械の導入により人手不足を解消している企業も多くあります。今後もAI(人工知能)・機械の技術の開発や改善が進み、将来的には単純作業以外のこともAI(人工知能)・機械が行えるようになるでしょう。しかし、次のようないくつかの問題点もあります。

 

①AI(人工知能)・機械の導入には、多額の資金が必要

AI(人工知能)・機械は単純作業を人の代わりに行いますが、その分、導入するのに多額の資金がかかります。大企業であればともかく、中小企業ではなかなか導入できない現状があります。

 

②管理者の不足

AI(人工知能)・機械では、作業をする人の数を減らすことができますが、その代わりとして、AI(人工知能)を管理する人が必要となります。AI(人工知能)・機械の管理には、特別な知識が必要な場合も多く、まだAI(人工知能)・機械の知識を持っている人が少ないため、管理者をどう育てるのかが大きな問題となっています。

 

③働き口の減少

AI(人工知能)・機械では、単純作業ではなく、将来的に事務作業や少し複雑な作業まで行うことが可能です。人手不足の解消に大きな貢献をしますが、そのことは、そこで働きたいと思っている人の働き口を減少させることにつながります。

 

「人手不足」原因の一つは離職

会社で人手不足になる原因は、なかなか良い人材を採用できないことだけではありません。せっかく採用した人材が、離職してしまうことも人手不足の大きな原因の1つです。従業員が離職することを防ぐためにも、その原因を把握しておく必要があります。

ここでは、離職する原因のうち、よくあるものについて見ていきましょう。

 

人間関係のストレス

離職原因の中で、多いのが人間関係におけるストレスです。上司の仕事の仕方が自分と合わない。同僚や後輩と上手く付き合えない。社長のやり方についていけないなど、多くの場合が人間関係のストレスです。従業員が人間関係のストレスを抱えると、長く働き続けられなくなってしまいます。せっかく採用し、仕事も覚えた従業員が離職することは、会社にとっても大きな不利益につながります。従業員同士で十分なコミュニケーションがとれ、風通しの良い職場にしていくことが重要です。

 

待遇への不満

人間関係のストレスとともに、離職理由で多いのが、待遇への不満です。待遇への不満は大きく2つに分かれます。

①労働環境への不満

待遇への不満の1つが労働環境への不満です。毎日残業が続き、長時間労働になったり、休日などがない。休憩時間がとれないといった劣悪な労働環境は、たとえ人間関係におけるストレスがなくても、離職の要因となります。さらに、長時間労働などの労働環境は、作業効率が落ちるデメリットもあります。また、それが原因で従業員が離職すれば、そもそも事業が継続できなくなります。そうならないためにも、労働環境の改善に努めなければなりません。

②評価や金銭面への不満

待遇への不満のもう1つが、評価や金銭面への不満です。自分が思っているよりも評価が低い、他の会社よりも賃金が安い、残業代が出ないなどの不満により、従業員が離職します。入社直後は、評価や金銭面への不満で離職することはあまりないでしょう。しかし、仕事ができるようになってからはそれまでに蓄積された不満から離職することも多く、会社にとって大きな痛手になることもあります。企業は評価基準を明確にしておくなどの対策が必要です。

 

やりがいの欠落

社会情勢の変化により、昔に比べて従業員が企業に求めるものも変化しています。その1つが仕事に対するやりがいです。「自分が成長する機会があるか」「キャリアアップの機会があるか」「会社の目指す姿に共感できるか」などといったことが、仕事へのやりがいに大きく影響してきます。社員にやりがいを与えるためにも、研修する機会を設けたり、キャリアアップによる昇給や会社の目指す姿を明文化して、きちんと社員に伝えたりする必要があります。

人間関係のストレスや待遇への不満、やりがいの欠落は、あくまで離職原因の主な例です。会社としては、自社の社員がどのような不満を持っているかを把握しなければ、改善することができません。社員の不満を把握するためには、直接社員に聞く以外にありません。しかし、社員に尋ねても、会社や上司などに気兼ねし、不満を正直に告げてくれないケースも多くあります。そのような場合には、離職者にアンケートをとってみるなどすることで、会社や上司に気兼ねすることなく、本当の不満を打ち明けてくれやすくなります。離職原因を把握するための方法も、その会社に合わせた工夫が必要でしょう。

 

業界によって人手不足の深刻さは異なる

今、経済界ではどの業種も人手不足です。しかしどの業種でも均一に人手不足かというとそうではなく、業種によって人手不足の深刻具合は異なります。ここでは、人手不足の状況について業種別に見ていきましょう。

 

離職率と人手不足が深刻な業界

厚生労働省では、毎年さまざまな雇用動向を調査しています。その中に産業別に入職と離職を調査した結果も公表されています。

平成29年度の産業別の入職率と離職率を見てみると、宿泊業、飲食サービス業が入職率33.5%、離職率30.0%とどちらも最も高い数字となっています。次に、生活関連サービス業、娯楽業が入職率21.4%、離職率22.1%とどちらも高い数字となっています。入職率は会社に新しく入った人の数が、離職率は会社を辞めた人の数が多いことを意味します。入職率、離職率のどちらも高いということは、人材がその業種で定着せず、入れ替わりが激しいことを意味しています。では、それぞれの業種について詳しく見ていきましょう。

 

①宿泊業

宿泊業とは、ホテルや旅館など、宿泊やそれに伴う食事の提供などを生業としている業種のことです。ホテルや旅館だけでなく、カプセルホテルや簡易宿所による民宿なども宿泊業に含まれます。宿泊業の仕事は、フロントでの接客業務から厨房での調理業務、ホテルの清掃や各設備の管理など多岐にわたります。

総務省が公表している「平成28年サービス産業動向調査年報」によれば、宿泊業で働いている人の数は、2014(平成26)年が750,900人、2015(平成27)年が779,100人、2016(平成28)年が780,700人と毎年、少しずつ増えてきています。また、総務省の労働調査によれば、パートタイムを含む新規の求人数(宿泊業,飲食サービス業全体の求人数から飲食店の求人数を差し引いて計算)は、2009(平成21)年が110,875人に対し、2017(平成29)年が232,493人と9年で2倍以上となっています。

上記数字をみると、宿泊業では今まで以上に働き手を探していることがわかります。

では、なぜ宿泊業で人手不足が起きているのでしょうか。それは「観光客・宿泊客の増加」と「仕事のきつさ」の2つの理由があります。

 

・観光客・宿泊客の増加

2013(平成25)年から、中国や東南アジアなどの観光客が増加し続けています。今では、観光地などで外国人観光客を見かけない日はないぐらい、インバウンド需要が高まっています。それに応じて、ホテルや旅館などを利用する人が増加したり、民泊新法の制定などで民宿事業がしやすくなったりしたことなどから、宿泊業での仕事量は増加し、常に人手不足の状況に陥っています。

・仕事のきつさ

ホテルや旅館などの宿泊業では、何時になったから閉店するといったことができません。そのため従業員は、もともと休日が少ないうえに、長時間労働や変則シフト勤務などが常となっていました。

 

また今までは、ゴールデンウイークや盆など日本の長期の休日に合わせて、忙しい時期が決まっていました。しかし、訪日外国人が増えたことにより、各国の暦に合わせた休日に宿泊客が増える結果となり、今までのように一定の時期だけでなく、1年中、常に忙しい状況になっています。

しかも、宿泊業では、接客から設備の管理まで多岐にわたる仕事をこなさなければならないことも多く、仕事のきつさが離職率の高さにつながっています。

宿泊業の今後の見通しについては、2020年の東京オリンピックなど、訪日外国人のさらなる増加を促す要因が多くあります。業界自体の見通しは明るいものになっていますが、こと人手に関しては、今よりもさらに不足することが予測されます。

外国人観光客の増加などで、外国語のできるスタッフの確保など、今後、多くの優秀な人材を確保する必要が出てきます。離職率などを下げるためにも、2020年に向けて、長時間業務などの労働環境の向上や賃金の増加など、さまざまな改善が必要となるでしょう。

 

②飲食サービス業

飲食サービス業は、レストランや食堂などの外食産業や配達サービスなどを生業としている業種のことです。飲食サービス業では、食材が高騰したり、食品の安全性の確保を図ったりとさまざまな問題を抱えています。人件費の高騰や人手不足も、この業界の大きな問題の1つです。

総務省が公表している「平成28年サービス産業動向調査年報」によれば、飲食サービス業で働いている人の数(飲食店+持ち帰り・配達飲食サービス業により計算)は、2014(平成26)年が4,744,300人、2015(平成27)年が476万700人、2016(平成28)年が469万6900人と、毎年ほぼ同程度の人数となっています。また、総務省の労働調査によれば、パートタイムを含む新規の求人数(飲食店)は、2009(平成21)年の43万6225人に対し、2017(平成29)年は81万402人と9年で約2倍となっています。

上記の数字をみると、飲食サービス業でも、今まで以上に働き手を探していることがわかります。

 

では、なぜ飲食サービス業で人手不足が起きているのでしょうか。それは飲食サービス業の特有の形態によります。都心や大都市などの都会には、多くの飲食店があります。また、郊外は郊外で大型ショッピングセンターなどが進出し、飲食店への需要は大きくなっています。

一方で、従業員の形態を見ると、少ない正規雇用の人間と多くのパート・アルバイトの人間で1つの店を営んでいます。現在、社会的に最低賃金の上昇などで人件費が高騰しています。そこで人手を抑えようとして、かえって1人あたりの仕事量が多くなったり、勤務時間が長くなったりする結果となります。また店自体も夜遅くまで開店していることによる拘束時間の長さなどが仕事のきつさにつながり、離職率の高さを招いています。

 

また、正規雇用の人間が少ないために、1人あたりの賃金は正規雇用も低くなりがちで、長く働く人も少ない傾向にあります。さらに、パート・アルバイトが主婦や学生の場合は、お昼などの一番人手が必要なときに働ける人が少ないという現状もあります。そのため、恒常的な人手不足に陥ってしまうのです。

 

飲食サービス業の今後の見通しについては、外国人観光客などの増加に伴い、需要はますます大きくなっていくでしょう。この需要の拡大に乗り遅れないようにするためには、外国語のできるスタッフや、今後控えている消費税の税率引き上げに対応できる(持ち帰りができる飲食店では、軽減税率への対応が必要)スタッフなど、優秀な人材を確保していく必要があります。質も含めた人手不足を解消するためには、正規雇用を増やし、賃金を高くすることなどの労働環境の向上が必須となります。business_103出典:総務省統計局「サービス産業動向調査年報」

 

③生活関連サービス業、娯楽業

生活関連サービス業は、主に個人を対象にして、日常生活に関連したサービスや施設を提供することを生業としている業種のことです。娯楽業は、映画や演劇などの興行や娯楽などのサービスや施設を提供することを生業としている業種のことです。

業界としては、クリーニング業や理容業、美容業、銭湯、エステティック業や、旅行業、結婚相談業、冠婚葬祭業などが該当します。娯楽業は、映画館や劇場、ボウリング場やパチンコ、スポーツ施設などが該当します。

生活関連サービス業や娯楽業は、働く人の入れ替わりが激しい業種です。総務省が公表している「平成28年サービス産業動向調査年報」によれば、生活関連サービス業で働いている人の数(洗濯・理容・美容・浴場業+その他の生活関連サービス業により計算)は、2014(平成26)年が172万2500人、2015(平成27)年が168万2900人、2016(平成28)年が165万2600人と、毎年少しずつ減少しています。

 

また、娯楽業で働いている人の数は、2014(平成26)年が98万9800人、2015(平成27)年が98万1800人、2016(平成28)年が95万1800人とこちらも毎年少しずつ減少しています。一方で、総務省の労働調査によれば、生活関連サービス業、娯楽業のパートタイムを含む新規の求人数は、2009(平成21)年が28万4710人に対し、2017(平成29)年が46万6199人と9年で約1.6倍となっています。

上記の数字をみると、生活関連サービス業、娯楽業でも今まで以上に働き手を探していることがわかります。

 

では、なぜ生活関連サービス業、娯楽業で人手不足が起きているのでしょうか。それは、「仕事の特殊性」と「仕事のきつさ」の2つの理由があります。

・仕事の特殊性

生活関連サービス業や娯楽業は、誰もができる仕事ではありません。クリーニング業や理容業、美容業など特殊な技能を持っていることが必要になります。劇場やスポーツ施設なども同じです。その技能を持っている人が離職した場合は、特殊な技能を持っている代わりの人を探す必要があります。そのため、常に人手不足の状態になっています。

・仕事のきつさ

生活関連サービス業や娯楽業は、商品を購入して販売するといった仕事とは異なります。特殊な技能を使ってサービスを提供することで、報酬を得ています。そのため、働く時間が直接、売上に影響を与えます。そこで、長時間労働になって疲れたり、変則のシフト制になって体調を崩したりと、仕事のきつさが離職率の高さにつながっています。

生活関連サービス業、娯楽業の今後の見通しについては、景気の動向に大きく影響を受けます。景気が悪い場合は、家庭で生活関連サービス業や娯楽業に使うお金は少なくなります。逆に景気が良い場合は、使うお金が多くなります。

 

現在、日本は好景気で、少なくとも東京オリンピックまでは好景気が続くという見通しがたっています。そのため、生活関連サービス業、娯楽業の今後の需要も大きくなることが予想されます。ただし、好景気になると、条件のよい業種に人材が流れがちです。やはり慢性的な人手不足を解消するためには、長時間労働をなくし、賃金を高くすることなどの労働環境の向上が必須となります。 business_104

出典:総務省統計局「サービス産業動向調査年報」

 

これから人手不足が起こりうる業界

入職率と離職率から見ると、宿泊業や飲食サービス業、生活関連サービス業や娯楽業の人手不足が深刻になっていることが分かりました。しかし、ここに挙がっていない業種であっても、今は現れていないが、社会情勢の変化などのいろいろな理由から、これから人材不足が起こる可能性のある業界があります。ここでは、その業界について見ていきます。

 

①社会福祉・介護事業

新聞やニュースなどで、人手不足の問題でよく取り上げられているのが、社会福祉・介護事業です。社会福祉・介護事業は、福祉や介護が必要な人に相談や指導、介護などのサービスを提供することを生業としている業種のことです。

平成29年度の産業別入職率・離職率において、医療・福祉業界は入職率が16.3%、離職率が14.5%と決して低い数値ではありません。総務省が公表している「平成28年サービス産業動向調査年報」によれば、社会福祉・介護事業で働いている人の数は、2014(平成26)年が270万6900人、2015(平成27)年が273万6100人、2016(平成28)年が277万9600人と、毎年、少しずつ増加しています。

 

しかし、総務省の労働調査によれば、パートタイムを含む新規の求人数(社会保険・社会福祉・介護事業)は、2009(平成21)年が62万6974人に対し、2017(平成29)年が169万8353人と9年でなんと約2.7倍となっています。この数字をみると、社会福祉・介護事業では、他の業種に比べて働き手を探していることがわかります。

では、なぜ社会福祉・介護事業で人手不足が起きているのでしょうか。それには、次のような原因があります。

 

・需要の拡大

社会福祉・介護事業が人手不足になる原因の1つが、需要の拡大があります。今、日本の総人口は減少傾向にありますが、逆に65歳以上の人口は増加しています。2018(平成30)年の4月時点においても、65歳以上の人口は3,537万6千人。前年同月に比べると47万8000人も増えています。今後、ますます65歳以上の人口の増加が見込まれるため、社会福祉や介護事業の需要は増えていくでしょう。

・賃金の低さ

社会福祉・介護事業が人手不足なのは、その仕事に従事しようとする人が少ないからです。それは、賃金の低さも原因のひとつです。政府においても、社会福祉・介護事業で働く人の賃金を上げるための対策を考えていますが、今のところ、まだ改善されていません。

・仕事のきつさ

社会福祉・介護事業は、精神的にも肉体的にもきつい仕事とされています。また、仕事も介護から身の回りの相談、支援や訪問介護と多岐にわたります。そのため人手不足も重なって、1人が受け持つ仕事も多くなり、それがさらに仕事をきつくしています。さらに、介護施設で働く場合は、長時間勤務や変則シフトが当たり前になっているため、働き手が体調を崩すなどの問題もあります。

・仕事の特殊性

福祉・介護業界には「社会福祉士」「介護福祉士」「精神保健福祉士」の3つの国家資格があります。社会福祉士は、福祉に関する相談を受けたり、助言や指導、連絡・調整などを行ったりする仕事です。ソーシャルワーカーとも呼ばれています。介護福祉士は、専門的な知識や技術で介護が必要な人に直接介護を行ったり、相談を受けたりする仕事を行います。精神保健福祉士は、精神に障害をもつ人やうつ病になってしまった人の社会復帰などの支援や相談を受ける仕事を行います。精神科ソーシャルワーカーと呼ばれることもあります。

福祉・介護業界には、この3つの資格を持つ人しかできない仕事も多く、その資格を持っている人が離職した場合は、新たに資格を持っている代わりの人を探す必要があります。そのため、常に人手不足の状態になっています。

 

福祉・介護業界の今後の見通しについては、今後、ますます少子高齢化が進むと、高齢者が増え、それを支える若い人が少なくなるため、さらに需要が高まることが予想されます。そうすると人手不足もさらに深刻になるでしょう。優秀な人材を確保するためにも、賃金の向上や長時間勤務の是正など、労働環境を改善する必要が急務です。

 

②医療業界

高齢化社会を迎え医療業界への需要はますます高くなっています。それに伴い、人手不足も進むことが考えられます。では、医療業界で働く人にはどのような人がいるのでしょうか。医療従事者といえば、医者を想像する人は多いでしょう。しかし、医師だけではなく、医療技術職や医療事務職、調剤薬局事務職などさまざまな職種があります。

 

総務省が公表している「平成28年サービス産業動向調査年報」によれば、医療業界で働いている人の数(医療業+保健衛生により計算)は、2014(平成26)年が393万5000人、2015(平成27)年が 398万8700人、2016(平成28)年が404万600人と、毎年、少しずつ増加しています。また、総務省の労働調査によれば、パートタイムを含む新規の求人数(医療業)は、平成21年が57万5539人に対し、平成29年が83万4995人と9年で約1.5倍となっています。

上記数字をみると、医療業界では、多くの働き手を探していることがわかります。では、なぜ医療業界で人手不足が起きているのでしょうか。それには、次のような原因があります。

 

・高齢化社会による需要の拡大

福祉・介護業界の項でも触れましたが、高齢化社会が進むにつれて医療を受ける人数も増えています。病院や診療所の数や患者の数が増えると、医療技術職や医療事務職、調剤薬局事務職などの人材もさらに必要となってきます。医療技術職や医療事務職、調剤薬局事務職につくためには、専門の知識や技術が必要となります。そのため、他の職業に比べ、人材の確保も難しく、人手不足が進みやすくなります。今後もますますその傾向は強くなるでしょう。

・医師の高齢化

わが国では高齢化社会が進んでいますが、それは医師にも同じことがいえます。厚生労働省が公表している「平成28年 医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」によると、病院・診療所で働く医師の平均年齢は49.6歳です。しかし、60歳以上の医師が25.1%と全体の1/4に上ります。また、29歳以下が9.1%に対し70歳以上が8.8%となっているからも、高齢化が進んでいることが分かります。今後、医師が高齢化で引退するなどにより、医師不足が起こることが予想されます。

また、診療所に限ってみると、平均年齢が59.6歳、60歳以上が47.3%にものぼります。今後、医師が高齢化で引退する場合には、後継者問題などが起こる可能性も高くなります。

・診療科による医師の偏り

ひとくちに医師といっても、専門としている診療科にはかたよりがあります。最も多いのが内科で全体の20.0%であるのに対し、産婦人科が3.6%、小児外科が0.3%とそのかたより具合は大きいです。そのため特定の診療科では常に人手不足となっています。

医療業界の今後の見通しとしては、高齢者が増えることで、ますます人手不足が深刻化することが考えられます。しかし、事業所としてできることは限られています。国を挙げて医師や医療従事者の数を増やす政策などを実施していく必要があるでしょう。 

business_105出典:総務省統計局「サービス産業動向調査年報」

 

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上記4つの図・表は出典:厚生労働省「平成28年(2016) 医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」

③建設業界

建設業には、建物の建築をすべて請け負う総合工事業や、内装工事や塗装などの一部の工事を下請けする職別工事業、冷暖房設備などの設備工事を行う設備工事業など、多岐にわたる仕事があります。またそれだけ、多くの人材を必要としている業界でもあります。

総務省が公表している「平成28年労働力調査」によれば、建設業界で働いている人の数は、2015(平成27)年が409万人、2016(平成28)年が403万人、2017(平成29)年が407万人と、毎年、同程度で推移しています。また、パートタイムを含む新規の求人数は、2009(平成21)年が47万1142人であるのに対し、2017(平成29)年が86万8015人と9年で約1.8倍となっています。

上記数字をみると、建設業界でも、多くの働き手を探していることがわかります。では、なぜ建設業界で人手不足が起きているのでしょうか。それには、次のような原因があります。

 

・好景気や震災復興による需要の拡大

建設業界は、リーマンショックなどによる不景気で、一時期業績を落としていました。しかし、東日本大震災復興のための需要や、その後の景気回復による需要により、一気に業績を回復します。現在は需要の拡大に人材の確保が追い付かず、深刻な人手不足になっています。

・若者離れ

建設業の仕事は基本的に外での仕事になります。夏は暑く、冬は寒いということはあたりまえです。また、ケガをしやすい職場でもあります。そのため、仕事がきついというイメージがついています。今の若者の志向として、きつい仕事をさけることも多く、建設業全体で若者離れが進んでいます。

・人材不足による、長時間労働や休日出勤が多い

建設業界は、もともと忙しい時期はとても忙しく、暇なときはとても暇ということが多い業界です。忙しい時は、工期を間に合わせるために残業や休日出勤、シフト勤務になることも多くあります。建設業界では、どこの会社も職人不足が進んでいるため、工期近くになると、拘束時間が長くなりがちです。生活のリズムなどが崩れたり、体調を崩したりして、離職するケースもあり、さらに人材不足が進みます。

 

今後の見通しとしては、2020年の東京オリンピックによる需要の拡大が見込まれるため、2020年までの見通しは明るいでしょう。しかし、もともと景気に左右されやすい業種のため、東京オリンピックの後に大きな反動が起こる可能性もあり、先を見据えた経営計画などが必要となります。人材確保については、建設業界全体で、若年層が持っているマイナスイメージを取り除く活動をしていく必要があります。個々の会社としても、長時間労働や変則シフトなどにならないようなマネージメントを行っていきましょう。

 

④運輸業界・郵便業界

運輸業は、物品を運んだり、保管・管理したりすることを生業としている業種のことです。運輸業には、道路や鉄道、航空などを使った貨物運送業だけでなく、水運業や倉庫業なども含まれます。郵便業は、郵便物などの引受や収集、収集した物の区分や配達を生業としている業種のことです。

総務省が公表している「平成28年サービス産業動向調査年報」によれば、運輸業界で働いている人の数(運輸業・郵便業-航空運輸業、郵便業により計算)は、2014(平成26)年が353万7600人、2015(平成27)年が358万2100人、2016(平成28)年が361万8800人と、毎年、少しずつ増加しています。郵便業界で働いている人の数(航空運輸業、郵便業)は、2014(平成26)年が31万7800人、2015(平成27)年が31万1100人、2016(平成28)年が31万2100人と、毎年、同程度の人数となっています。

 

また、総務省の労働調査によれば、運輸業・郵便業のパートタイムを含む新規の求人数は、2009(平成21)年が38万7356人に対し、2018(平成29)年が65万6292人と9年で約1.7倍となっています。

上記数字をみると、運輸業・郵便業界では、どちらも多くの働き手を探していることがわかります。では、なぜ運輸業・郵便業界で人手不足が起きているのでしょうか。それには、次のような原因があります。

 

・ネットショッピングの拡大

近年、商品の購入などにネットショップを利用する人は多くなっています。総務省が平成28年に発表した「急増するネットショッピングに実態を探る」によると、2人以上の世帯におけるネットショッピングを利用した世帯の割合は、2002年に5.3%だったものが、2015年には27.6%と13年で5.2倍となっています。また、1年間にネットショッピングを利用した金額は1世帯あたりの平均で10万3716円に上ります。

ネットショッピングの利用は、貨物運送業の需要を拡大させるだけでなく、保管する倉庫業などの需要も拡大します。運輸業では、運送業のドライバーや、倉庫でピッキングなどを行う人や、管理をする人など、多くの人材が必要です。ネットショッピングの需要の拡大に人材確保が追い付かず、人手不足が進んでいます。ネットショッピングではゆうパックなど郵便業の配達も利用されているため、郵便業でも同じことがいえます。

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 出典:総務省統計局「統計トピックス No.92 急増するネットショッピングの実態を探る 」

 

・仕事のきつさ

運輸業や郵便業では、24時間365日、仕事があります。ドライバーや夜間に商品を運ぶ必要がありますし、倉庫業であっても昼夜関係なく、荷物の出庫や管理をする必要があります。大手運送会社などでは、休日の配達をなくしたり、昼の配達をなくしたりと対策をとっている会社もありますが、まだまだ中小の運送会社では、休みをとるのが難しい状況です。

また、重い荷物を運ばなくてはならないため、体力が必要とされるきつい仕事です。さらに基本的に、規則正しい生活は難しいため、プライベートを大事にする人が長く働くのは難しく、常に人手不足となっています。

 

運輸業や郵便業の見通しとしては、ますますネットショッピングの拡大で需要が増えてくるでしょう。実は、ネットショッピングを一番多く利用しているのは、若い人ではありません。世帯主が50歳代の世代が一番多く利用しています。今は60歳代以上の人の利用は、他の世代に比べて少ないですが、今、50歳代の世代が60歳代以上になるころには、さらにネットショッピングの利用者数が多くなっていることが考えられ、ますます人手不足が深刻化していきます。人手不足を解消するためには、AI(人工知能)を導入するなど、システム化、業務効率化を図っていく必要があります。

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出典:総務省統計局「サービス産業動向調査年報」

 

人手不足を解消する経営者のための対策法

見てきたとおり、多くの業種で今後ますます人手不足が進むと考えられます。そのため、会社の経営者は、少しでも人手不足を解消するための対策を行う必要があります。

人手不足の解消には、今いる従業員の離職の予防と、新しい人材の確保の2つが欠かせません。ここでは、その対策法について解説します。

 

温かい職場の環境づくり

温かい職場の環境づくりは、今いる従業員の離職の予防に重点をおいた対策です。前述のように従業員の離職の原因として、人間関係のストレスがありました。人間関係のストレスを解消するためにも、温かい職場の環境づくりは必須です。温かい職場の環境づくりのポイントとしては次の2つがあります。

 

①コミュニケーションの活性化

人間関係のストレスは、コミュニケーション不足により起こることが多いです。そのため、会社が率先して、コミュニケーションをとる場を作っていくことが必要です。

例えば、バーベキューやハイキングなどの企画を計画し実行することは、従業員同士の親睦を図るのに効果的です。普段、一緒に仕事をすることのない違う部署の人間と接することで、会社のことを理解できたり、仕事の幅が広がるなどの効果もあります。

また、ハイキングなどをすることで、従業員の健康の改善につなげることも可能です。今、企業が戦略として、従業員の健康を改善し、それを会社の成長につなげる「健康経営」が注目されていますが、ハイキングなどのレクリエーションは健康経営を取り入れるきっかけにもなります。

 

ただし、休日にバーベキューやハイキングなどに参加するのが嫌な人もいます。その場合は、ランチ会を開くなど、休憩時間や仕事終わりのちょっとした時間でコミュニケーションをとるのも良いでしょう。上司と従業員、社長と従業員のコミュニケーションを図るためには、社長や上司を交えたランチ会をすることで、距離が縮まったり、上の人間の考えが伝わり、仕事においても一体感が生まれます。

 

②福利厚生の充実

従業員の中には、バーベキューやハイキング、ランチ会などのイベントに参加することが苦手という人もいます。その場合は、福利厚生を充実することで、温かい職場の環境づくりをすることが可能です。福利厚生の充実といっても、大きなお金をかける必要はありません。フリードリンクやお菓子をおいて、少しほっとする時間をつくることができるようにする、仕事場と離れたところに休憩室を設けて、仕事を離れる時間を作る機会を与える、仮眠室を設置し、ちょっとした昼寝がとれる時間を作るなど、ちょっとしたお金と工夫次第で福利厚生を充実することが可能です。

 

待遇を改善は必須

従業員の離職を予防するためには、待遇の改善は必須です。待遇への不満には、労働環境への不満と評価や金銭面への不満があるということは、先に述べた通りです。そのため、それぞれについて改善していく必要があります。

 

①労働環境の改善

大企業では、少し前から、ワークライフバランスの充実に力を入れています。ワークライフバランスとは、簡単にいうと、仕事と私生活のどちらも充実させることです。ワークライフバランスがうまくいくことで、仕事の効率があがり、企業の成長にも繋がります。

今では、中小企業においても、ワークライフバランスを重視する企業が多くなってきました。

私生活を充実させるためには、会社を挙げての労働環境の改善は必須です。毎日のように残業が発生したり、休日出勤などが発生したりすると、仕事のみが生活の中心となり、私生活を充実させることができません。そもそも、長時間労働で従業員が体調を崩して仕事ができなくなれば、元も子もありません。

そこで、ノー残業デーを作ったり、例えば19時には全員退社しなければならないなど、1日の残業時間の上限を決めたりして、私生活を充実させるように努めます。残業時間の上限がきまることで、仕事のメリハリができるようになり、結果仕事の効率があがったという話はよく聞くことです。

大事なのは、企業が率先して労働環境の改善をしていくことです。そのことで、会社への不満が減り、従業員の離職予防となります。

 

②評価や金銭面への不満

労働環境の改善は、従業員の離職を予防するために重要です。しかし、それだけでは、効果は薄いものとなります。同時に、評価や金銭面への不満を解消していく必要があります。

正規雇用の社員においては、公平な評価は重要です。自分が適切な評価を受けていないと感じると、それは会社への不満につながります。会社としては適切に評価しているつもりでも、従業員はそう思っていないということはよくあります。そうならないためにも、会社は評価基準を公表し、だれが見ても公平であることを従業員に示す必要があります。

 

パートやアルバイトなど非正規雇用の人については、賃金面が重要です。賃金に不満があると、離職し他の会社に移りやすくなります。そのため、残業代を1分単位まで支払ったり、正社員への登用制度を確立したりすることで、頑張ったら頑張っただけの見返りがあることを示すことができます。こうした取り組みによって、仕事に対するモチベーションが上がり、仕事の効率が良くなったり、離職を防ぐことができます。

 

働き方・人材を工夫する

今いる従業員の離職の予防と、新しい人材の確保の2つに影響を与えるのが、働き方や人材に対してに会社の工夫です。それぞれの工夫を見ていきましょう。

①働き方の工夫

これからの企業は、中小企業であってもワークライフバランスに力を入れていく必要があります。

ワークライフバランスにおける仕事と私生活の両立は、長時間労働や休日出勤を抑制することだけではありません。育児や介護が必要な従業員について、時短勤務を認めたり、休暇を取りやすくする体制を構築することも重要です。そのことで、優秀な人材が育児や介護が原因で離職することを防ぐことができます。

働き方を改革するためには、誰が休んでも、みんなでカバーできるような体制を作っておくことも重要です。そのためには、他部署体験など、普段から自部署の仕事以外に違う部署の経験をつけておくことも必要です。コミュニケーションを図れ、仕事において一体感が生まれる効果もあります。

 

また、ワークライフバランスに力を入れることは、対外的に会社の評価を挙げる効果もあります。会社の実情に合わせた取り組みによって他社との差別化が測れ、優秀な人材を確保しやすくなるメリットも生まれます。

 

②人材の工夫

人手不足を解消するためには、獲得する人材にも工夫が必要です。今までの人材の確保は、正社員で会社に来て決まった時間を働く人材を確保することが常識でした。しかし、働き方改革や人手不足の解消などにより、これからの人材確保は変わりつつあります。

確保する人材は、正社員だけである必要はありません。例えば、他の会社で働いている人や、フリーランスとして別の仕事がある人も積極的に採用することで、人材不足を解消できます。また、違う仕事でのスキルや経験、考え方を自社に取り入れることで、新しい発見は良い影響をもたらすこともあります。

 

さらに、育児や介護などで、優秀なスキルを持っているのに働くことができない人を採用するのも、人材不足を解消する方法の1つです。そのためには、自宅勤務やリモートワークができる体制をつくり、会社に出社しなくても働ける環境を作る必要があります。

このほかにも、外国人を積極的に採用することで、人手不足を解消する方法もあります。

人手不足を解消するためには、今までの既成概念にとらわれず、自社に合った人材の確保方法を検討していくことが必要です。

 

まとめ

わが国の総人口は、これからますます減少していくことが予想されます。それに伴い、労働人口も減少し、企業の人手不足はさらに深刻化していきます。見てきたとおり、今では、ほとんどの業種で人手が不足していることが分かります。そのため、現在は人手不足が起こっていない業種や企業であっても、今後は人手が不足する事態が起こることが十分考えられます。

人手不足の原因は、労働人口の減少による新しい人材の確保が難しくなっていることだけでなく、今いる従業員の離職なども関係します。人手不足を解消するためには、まず自社における人手不足の原因を把握し、解決策を検討していくことが重要です。これから企業が生き残っていくためには、収益をあげることだけに注視するのではなく、人材不足に対してさまざまな施策を行っていくことが、ますます重要となるでしょう。

 

 

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